東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに大幅反発となりました。153円高の32,928円で寄り付いた日経平均は直後に138円高の32,914円を付けた後大きく上げ幅を広げると前引け間際に567円高の33,343円まで上昇し563円高の33,339円で前場を終えました。588円高の33,364円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ大引け間際に676円高の33,452円まで上昇すると結局670円高の33,445円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

富士通(6702)が一時4.1%高となり年初来高値を更新しました。米通信大手のAT&T[T]が2024年からスウェーデンの通信機器のエリクソン[ERIC]や富士通と連携し、既存の携帯電話の通信網を異なるメーカーの機器を組み合わせて通信網を構築する「オープンRAN」に統合すると発表したことを材料視した買いが入りました。富士フイルムホールディングス(4901)も一時2.3%高となりました。2025年3月期にインスタントカメラの「チェキ」事業の売上高を2023年3月期比約15%増の1500億円にすると伝わったことを好感した買いが入りました。総菜大手のロック・フィールド(2910)も一時3.9%高となりました。人流回復を受け首都圏の大型店舗を中心に販売が伸びたことや、値上げを進めたこともあり上期の営業利益が前年同期比で20%増となったことから買いが優勢となりました。また、目標株価の引き上げを受けて三井金属鉱業(5706)や三井海洋開発(6269)が高く、三井金属鉱業が一時3.1%高、三井海洋開発も一時8.4%高となりました。さらに東証スタンダード市場では100円ショップ大手のセリア(2782)が一時4.2%高となりました。日用消耗品などの販売が伸びたことなどで11月の既存店売上高が前年同月比で2.3%増となり4ヶ月ぶりに前年の実績を上回ったことから大幅高となりました。一方でジンズホールディングス(3046)が一時5.0%安となりました。オプションレンズの装着率が上昇したことなどで11月の既存店売上高は前年同月比で2.3%増となりましたが、10月の12.1%増から伸びが鈍化したことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は670円高となりました。昨日の米ハイテク株高の流れを受けて買いが優勢となりました。また、昨日までの3日間で710円以上下げていたことや、4日に121%まで上昇していた東証プライム市場の騰落レシオが昨日に107%まで低下し買われ過ぎの状態が解消したこともあり大きく上げ幅を広げ、昨日に割り込んだ25日移動平均線(32,918円)や節目の33,000円を大きく上回って取引を終えました。そのため警戒ムードが大きく後退しそうで、高値更新や年末株高への期待が改めて高まりそうです。なお、日本時間の22時15分には11月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、22時30分には10月の米貿易収支と7-9月期の米労働生産性指数改定値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)