東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。208円安の33,022円で寄り付いた日経平均は直後に141円安の33,089円を付けた後下げ幅を広げると10時40分に504円安の32,726円まで下落しました。その後下げ渋ると後場に入り13時20分前に327円安の32,903円まで戻しましたが、32,900円をわずかに上回ったところで上値が押さえられると下げ幅を広げ結局455円安の32,775円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

さくらインターネット(3778)が一時22.3%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。岸田文雄首相と面会した米半導体大手のエヌビディア[NVDA]のジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が面会後にさくらインターネットなどの日本企業と連携していくと記者団に明かしたことで買いを集めました。ニトリホールディングス(9843)も一時2.5%高となりました。テレビCMの宣伝効果や気温の低下によってコタツや季節寝具、寝装品の売り上げが伸びたことなどで11月の既存店売上高が前年同月比8.5%増と4ヶ月ぶりに前年実績を上回ったことから買いが優勢となりました。レンズ製造大手のタムロン(7740)も一時4.8%高となりました。主力の写真関連事業やモビリティ&ヘルスケア事業の売り上げが好調なことから12億5千万円とみていた2023年12月期の営業利益の見通しを13億1千万円に上方修正したことで上げ幅を広げる場面がありました。

また、政府・与党は2024年度税制改正で中小企業のM&Aに関する税負担を軽くし、後継者不足の問題の解消につなげると伝わったことからM&A関連銘柄が高く、日本M&Aセンターホールディングス(2127)が一時4.9%高、M&Aキャピタルパートナーズ(6080)が一時8.0%高、M&A総研ホールディングス(9552)も一時5.0%高となりました。さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けてアルミ圧延大手のUACJ(5741)や戸田建設(1860)が高く、UACJが一時5.6%高となり年初来高値を更新したほか、戸田建設も一時4.1%高となりました。一方で昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1%を超える下落となったことから半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が4.0%安、SCREENホールディングス(7735)が5.3%安、アドバンテスト(6857)が6.2%安、ディスコ(6146)も5.6%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は455円安となりました。昨日の米国市場が利益確定の売りが出て反落となったことから続落となりました。また、東証プライム市場の騰落レシオが昨日時点で121%となるなど買われ過ぎとなっていたこともあり節目の33,000円を割り込んで下げ幅を広げ、25日移動平均線(32,808円)を下回って取引を終えました。そのため下値への警戒感がやや意識されそうで、高値更新への期待が一旦後退することになりそうです。なお、日本時間の6日午前0時には11月の米ISM非製造業景況感指数や10月の米雇用動態調査(JOLTS)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)