東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は円高を受けて続落となりました。113円安の33,318円で寄り付いた日経平均は直後に107円安の33,324円を付けた後下げ幅を広げると取引開始から20分弱で408円安の33,023円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると10時40分過ぎには118円安の33,312円まで戻しました。しかし、上値は重くその後下げ幅を広げると結局200円安の33,231円で取引を終えています。一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
円高を受けて自動車株が売られました。トヨタ(7203)とSUBARU(7270)が一時3.1%安となったほか、日産(7201)と三菱自動車工業(7211)が一時4.0%安、ホンダ(7267)が一時3.2%安、マツダ(7261)も一時4.6%安となりました。米長期金利の低下を受けてメガバンクも軟調で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時2.3%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.0%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.4%安となりました。一方で内田洋行(8057)が一時6.3%高となり年初来高値を更新しました。インボイス(適格請求書)制度に対応するための企業向け業務システムの改修案件が増えたことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で50.1%増となったことから大幅高となりました。セレス(3696)も16.3%上昇しストップ高となりました。暗号資産のビットコインが4万ドル台を回復したことで暗号資産の交換業者に出資しているセレスに物色の矛先が向かいました。また、ばら積み船の総合的な運賃市況を示すバルチック海運指数が大幅高となったことから大手海運株が高く、なかでも川崎汽船(9107)が一時3.7%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は200円安となりました。ダウ平均とS&P500株価指数が年初来高値を更新するなど先週末の米国市場は上昇となりましたが、米長期金利の低下を受けて一時146円台前半まで進んだ円高が重石となり売りが優勢となりました。朝方には400円以上下げる場面もありましたが、押し目買いが入り節目の33,000円を前に底堅さをみせると下げ幅を縮めました。そのため地合いは大きく崩れていないといえそうで、今週も年初来高値(33,753円)を更新できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)