米ドル/円 週間予想レンジ:145.00~148.50

メインストラテジー:戻り売り

・強気基調の崩壊
・下値支持が崩れる
・次の節目を探る

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週大きく続落し、147円以下で大引けした。強気基調が崩れ、支持ゾーンの割り込みもあったため、これからさらなる下値余地を拡大する見通しだ。

もっとも、重要なのは、先々週安値の147.15円より安く大引けしたことだ。何しろ、同安値は11月21日安値であったため、同安値の割込みは基調転換であることを告げ、ここから弱気変動の継続を示唆していた。

先々週は一旦147.15円をトライし、10月3日安値を下回った。その後大きく切り返して大引けしたものの、頭打ちの構造を示し、米ドル高サイクルのトップアウトを暗示したわけだ。つまり、先週の続落、また安値での大引けは同トップアウトを証明しただけではなく、想定より早く弱気基調への転換を示した。

もちろん、11月13日の高値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」であったことがもっとも重要なサインであった。2022年と異なり、日銀の為替介入なしのトップアウトはより蓋然性があり、また支配力のあるサインであった。

つまり、先週の続落は、トップアウトの構造を決定させた。ここから150円だけではなく149円台の回復も容易ではないと推測され、支持ゾーンのさらなる下方修正に繋がるだろう。言い換えれば、従来の支持ゾーンの崩れがあったからこそ、下値余地が大きく拡大したわけだ。

11月13日の高値更新が「ダマシ」であった以上、「最後の砦」は11月21日の罫線が示した「スパイクロー」であった。同日安値が一旦10月3日安値を下回ったものの、その後大きく引き返して大引けしただけに、先週は完全な割り込みで支持ゾーンの崩れを決定させた。この場合は、「倍返し」の計算で最大142円台の打診も覚悟せざるを得ない。その反面、148円台半ばの抵抗が目先としては厚く、安易な回復は見られない可能性もある。

ただし、日銀緩和政策自体が維持され、弱気変動への転換があったとしても円が積極的に買われる展開にはならない可能性も大きい。この前の支持ゾーンの割り込みで次なる節目を探っている途中だが、とはいえ、一気に142円台の打診もないだろう。今週は145円台を下値ターゲットとみなし、戻り売りのスタンスで臨みたい。

豪ドル/円 週間予想レンジ:97.00~99.00

メインストラテジー:押し目買い

・保ち合い再び
・モメンタムは低下
・米ドル/円の圧力

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週再度反落し、陰線で大引けした。上昇志向がなお維持されるものの、モメンタムの低下が見られるため、しばらくは高値圏での保ち合いを有力視している。

週足では先々週と同じく、連続して値幅の縮小が見られ、週足では「インサイド」のサインを継続した。11月第3週は一旦98.69円をトライし、2014年12月以来の高値更新を果たしたため、遅かれ早かれ100円心理大台の打診ありとみなすと、強気スタンスは不変ではあるものの、時間がかかる公算が大きい。

高値更新を果たした11月第3週の罫線は、一見して「スパイクハイ」のサインを灯し、上値が重いと思われた節もあったが、この前の状況と総合的に判断すれば、むしろ逆の見方、即ち強気変動の証拠として受け止められるため、メイントレンドとしての判断は不変である。

10月最終週は大きく続伸し、9月高値のブレイクを果たしたため、上放れを決定した。11月における一旦年初来高値更新で出遅れたロング筋の一段参入が想定されただけに、週足における「インサイド」が延長されても、いずれ上放れの機運が高まるだろう。

要するに、上放れのサインが本物であった分、高値更新があってもなお途中経過であるため、余計な解釈は不要だ。ここからは押し目買いか、高値追いかの違いはあっても、強気構造に便乗するスタンスは変わらない。ただし、米ドル/円の下放れがあった分、高値圏での保ち合いが想定より長くなる可能性がある。

豪ドル/円は、理論上では97円大台の再打診があれば、99~100円といった新たなレンジの上限にトライできるため、97円以上の定着さえあれば、大きな問題はないだろう。今後も、押し目買いのスタンスを継続していきたい。