【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 36,245.50 △294.61 (12/1)
NASDAQ: 14,305.03 △78.81 (12/1)
1.概況
先週末の米国市場はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が大学のイベントで現在の政策金利の水準を「かなり引き締め的」との見解を示したことを受けて利上げ終了観測が強まり上昇となりました。36ドル安でスタートしたダウ平均ですが下げ渋るとプラスに転じ上げ幅を広げ昼過ぎには313ドル高まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き高値圏で堅調に推移すると結局294ドル高の36,245ドルで取引を終え、4日続伸となり前日に続いて年初来高値を更新しています。また、S&P500株価指数も26ポイント高の4,594ポイントと続伸となり7月31日に付けた年初来高値(4,588ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も78ポイント高の14,305ポイントと3日ぶりに反発となっています。
2.経済指標等
11月の米ISM製造業景況感指数は10月と変わらずの46.7となり市場予想を下回りました。一方で10月の米建設支出は前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が上げました。そのなかでも不動産が2%余り上昇したほか、資本財・サービスと一般消費財・サービス、公益事業、素材も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が上げました。そのなかでもウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が4%を超える上昇となったほか、セールスフォース[CRM] が3%以上、 ナイキ[NKE]も3%近く上げました。キャタピラー[CAT]とジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、ゴールドマン・サックス[GS]も2%以上上昇し、ホーム・デポ[HD]も2%近く上げています。一方でインテル[INTC]が2%を超える下落となり、マイクロソフト[MSFT]も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではメディア大手のパラマウント・グローバル[PARA]が10%近く上げました。パラマウント・グローバルとアップル[AAPL]がそれぞれの動画配信サービスを1つのパッケージにまとめ、割引価格で提供する方向で協議していると伝わったことを好感した買いが入りました。製薬大手のファイザー[PFE]は肥満症治療薬「ダヌグリプロン」を後期試験に進める計画を取り止めると発表したことで5%余り下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利はパウエルFRB議長の発言を受けて利上げ終了観測が強まり0.13%低い4.19%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ146円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。円高が相場の重石となるなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)