5日移動平均線を挟んだもち合いが続く

11月20日に長い上ヒゲを形成した後の日経平均は、5日移動平均線を挟んだ値動きとなり、結局7月3日につけた高値を更新できずに推移しています。

11月24日にも高値を更新するチャンスがありましたが、陰線を形成すると、その後も陰線が発生しており、上値の重たさが見て取れる格好です。ただ、上値が重たいからと言って売り込む動きが出ているわけではなく、5日移動平均線を挟んだ値動きとなっているのが分かります。

このように、高値圏でのもち合いが続いていることから、日経平均は方向を探ろうとしているのではないかと思われますが、仮に5日移動平均線を挟んだ値動きが続くようですと、方向が定まらないままもち合いが続くことが予想されます。

ただし、もち合いの期間が長くなればなるほど、その後に発生したトレンドが強くなることが考えられ、上下どちらかに動き出し方向に株価が大きく動き出すのでないかと考えられます。そのため、動き出した方向と反対のポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。

また、動き出す前から方向を決め込んで、ポジションを大きくするのも控えた方が良いと思われます。では、株価はどちらに動き出すのか、事前に予想は出来ないのかといった疑問が出てきます。そこで参考になると思われるのが、やはりモメンタムの動きです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの向きと0ラインがカギを握る

モメンタムとその移動平均線であるシグナルの動きを見ますと、緩やかな低下が続いているのが分かります。特に、年初来高値を更新するチャンスがあった11月24日のモメンタムとシグナルは、株価が上昇していたにも関わらず低下しており、「逆行現象」が発生していたのです。

また11月に入り、高値に迫る中での「逆行現象」の発生は、11月17日の発生に次いで今回で2回目となっており、上昇の勢いが弱まっていることが示された格好です。

11月に入って2回も「逆行現象」が発生しているとともに2本線の低下が続いていることから、高値を更新できないのはこのようなモメンタムの低下が原因と言えるのではないでしょうか。

そのような中、今後の方向を探る判断材料としてモメンタムを活用した場合、どのようなことが予測できるでしょうか。

仮に2本線の低下が続いた場合、高値更新は難しくなるのではないかと思われます。特に、2本線が上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを割り込んで戻せなくなるようですと、下落の勢いが強まることになるため、75日移動平均線辺りまで下落したり、下回ったりすることが視野に入り、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから慎重に行う必要があるでしょう。

一方で、2本線が低下しても限定的だったり、上向きに変化して上昇したりするようですと、高値更新の可能性が高まるのではないかと思われます。

モメンタムの動きを分析することは今後の値動きの予測に役立つと思いますので、引き続きモメンタムとシグナルの動向に注意し、売買判断に役立てたいところです。