東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。84円高の33,710円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で185円高の33,811円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと10時過ぎにマイナスに転じ後場に入り12時40分過ぎには228円安の33,397円まで下落しました。その後下げ渋るとやや持ち直しましたが、引き続き節目の33,500円を下回って推移すると結局177円安の33,447円で取引を終えました。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

しまむら(8227)が一時5.1%高となり年初来高値を更新しました。気温の急低下に伴いアウター衣料など冬物の販売が伸びたことなどにより11月の既存店売上高が前年同月比で4.3%増と3ヶ月ぶりにプラスとなったことから大幅高となりました。シャープ(6753)も一時6.3%高となりました。中国通信機器大手のファーウェイと高速通信規格「5G」や「4G」といったセルラー通信の規格に関する特許を相互利用するクロスライセンス契約を結んだと発表したことを材料視した買いが入りました。また、ばら積み船の総合的な運賃市況を示すバルチック海運指数が大幅高となったことを受けて大手海運株が堅調で、日本郵船(9101)が一時1.9%高、商船三井(9104)が一時2.6%高、川崎汽船(9107)も一時3.0%高となりました。さらに目標株価の引き上げを受けてマツキヨココカラ&カンパニー(3088)が一時4.4%高となったほか、花王(4452)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.1%高となりました。一方でゼンショーホールディングス(7550)が一時6.0%安となりました。公募増資と第三者割当増資で最大約500億円を調達すると発表したことで1株利益などの希薄化や需給悪化を懸念した売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は177円安となりました。年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」ということもあり消費関連株の一角が買われ先週末の米国市場でダウ平均が続伸となったことから買いが先行し、一時は180円以上上げ7月3日に付けた年初来高値(33,753円)を上回る場面もありました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じました。そのため年初来高値を上回ったところでの上値の重さが意識されそうで、引き続き高値を更新できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の28日午前0時には10月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)