東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反発となりました。250円高の32,818円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで345円高の32,913円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと182円高の32,750円で前場を終えました。さらに上げ幅を縮め63円高の32,631円でスタートした後場の日経平均は12時50分前にマイナスに転じると14時10分前に68円安の32,499円まで下落しました。しかし、節目の32,500円をわずかに割り込んだところで下げ渋るとやや持ち直し結局17円高の32,585円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に下げたほか、新興市場も軟調で東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時4.4%高となりました。新型コロナの5類移行に伴う外出需要やインバウンド需要を取り込み上期の営業利益が前年同期比で2.3倍となり、380億円とみていた通期の営業利益の見通しを480億円に上方修正したことから買いが優勢となりました。ディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)も一時8.8%高となり上場来高値を更新しました。訪日客の増加で免税品の販売が好調だったことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で37.8%増となったことで買いを集めました。アサヒグループホールディングス(2502)も一時4.4%高となりました。値上げによる採算改善や業務用需要の回復を背景に国内の酒類事業が好調で、第3四半期の事業利益が前年同期比で12.9%増となったことから大幅高となりました。東証スタンダード市場では同じく第3四半期決算を発表した日本マクドナルドホールディングス(2702)が6.1%高となり上場来高値を更新しました。店頭価格を上げたことで既存店売上高が伸びているほか、円安や原材料高の影響が一服し採算が改善していることなどにより350億円とみていた通期の営業利益の見通しを400億円に上方修正したことから上げ幅を広げました。一方でニトリホールディングス(9843)が一時7.4%安となり年初来安値を更新しました。為替の円安に伴う輸入コスト増などにより上期の営業利益が前年同期比で20.1%減となり会社予想や市場予想に届かなかったことで売りがかさみました。第3四半期決算を発表した資生堂(4911)も14.3%下落しストップ安となり年初来安値を更新しました。中国における日本製品の買い控えが響き通期のコア営業利益の見通しを600億円から350億円に下方修正したことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は17円高となりました。米長期金利の上昇が小幅に止まるなかハイテク株を中心に買いが入り先週末の米国市場が上昇したことから反発となりました。一時は340円以上上げる場面もありましたが、節目の33,000円を前に32,900円を小幅に上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め後場には小幅にマイナスとなる場面もありました。そのため上値の重さが意識されそうで、今週は33,000円を超えてさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはメルカリ(4385)や日本郵政グループ3社、みずほフィナンシャルグループ(8411)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)