東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日ぶりに大幅反落となりました。156円安の32,551円で寄り付いた日経平均は直後に117円安の32,591円を付けた後下げ幅を広げると313円安の32,394円で前場を終えました。331円安の32,377円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ大引け間際に457円安の32,250円まで下落すると結局436円安の32,271円で取引を終えました。一方で新興市場は堅調で東証グロース市場250指数が小幅に上昇となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表した旭化成(3407)が一時4.8%高となりました。繊維素材などを手掛ける基盤マテリアルで需要が想定以上に低迷していることなどにより1600億円とみていた通期の営業利益の見通しを1400億円に下方修正しましたが、市場予想を上回ったことで大幅高となりました。また、上期決算を発表し通期の営業利益の見通しを上方修正した松屋フーズホールディングス(9887)やメイコー(6787)が大幅高となり年初来高値を更新しました。松屋フーズホールディングスは既存店の売上高増加より固定費の売上高に占める割合が低下したことなどにより10億円とみていた通期の営業利益の見通しを35億円に上方修正し、減益予想が一転して増益予想となったことから一時6.0%高となりました。プリント基板大手のメイコーも受注が好調に推移していることなどから90億円とみていた通期の営業利益の見通しを100億円に引き上げたことで一時20.7%上昇しストップ高となる場面もありました。さらに同じく上期決算を発表したゴールドウイン(8111)も一時7.8%高となりました。各種イベントの再開やインバウンド需要の回復で小幅な減益を見込んでいた上期の営業利益が前年同期比で15.0%増となったことから大幅高となりました。一方でNTTデータグループ(9613)が一時7.5%安となりました。全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する銀行間送金網「全国銀行データ通信システム」で10月に発生した障害について、NTTデータグループが同社製のソフトウエアの不具合が原因だったと発表したことで売りが膨らみました。帝人(3401)も一時5.4%安となりました。特許切れの影響を受ける医薬品「フェブリク」の販売が落ち込んだことや、中国の景気回復の遅れや欧州景気の減速で樹脂の販売も振るわなかったことなどにより上期の営業利益が前年同期比で30.1%減となったことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は436円安となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まるなか利益確定の売りが出て反落となり、一日を通して大きく下げ幅を広げる展開となりました。しかし、昨日までの4日間で2,000円以上も上げていたことからすると必要なスピード調整だとみることもできそうです。なお、3月決算企業の上期決算発表が続いています。本日も引け後にはLINEヤフー(4689)やダイキン工業(6367)、IHI(7013)、マツダ(7261)、スズキ(7269)、任天堂(7974)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)