東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅に4日続伸となりました。500円高の32,450円で寄り付いた日経平均は直後に445円高の32,395円を付けた後大きく上げ幅を広げると11時過ぎに816円高の32,766円まで上昇し高値を付けました。その後は伸び悩みましたが、引き続き高値圏で推移すると結局758円高の32,708円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く、本日より東証マザーズ指数から名称が変更となった東証グロース市場250指数も4.4%高となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表した住友電気工業(5802)が一時12.8%高となりました。半導体の部品供給不足の緩和に伴う自動車生産の回復で主力の車部品の販売が伸びることなどにより1,800億円とみていた通期の営業利益の見通しを2,000億円に上方修正したことから買いを集めました。同じく上期決算を発表したKDDI(9433)やコニカミノルタ(4902)も大幅高となりました。KDDIは法人事業が伸びたことなどにより上期の営業利益がわずかながら増益を確保し、市場予想を上回ったことから一時5.7%高となりました。コニカミノルタも4-6月期に44億円余りの赤字だった営業損益が、複合機や消耗品などデジタルワークプレイス事業や業務用の印刷機を手がけるプロフェッショナルプリント事業が伸びたことや、生産コストの削減も進んだことなどで7-9月期に52億円近い黒字に転換したことから一時8.3%高となっています。一方で上期決算を発表した川崎汽船(9107)が13.3%安となりました。コンテナ船の運賃回復の遅れや、船舶売却の一部を来期に延期したことなどにより1,200億円とみていた通期の純利益の見通しを1,050億円に下方修正したことから売りが膨らみました。ヤマダホールディングス(9831)も一時10.2%安となりました。猛暑でエアコンの販売が好調だったことで上期の営業利益は増益を確保しましたが、前年同期比で3%増に止まり会社計画や市場予想を下回ったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は758円高となりました。米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことなどにより長期金利が低下したことなどから11月2日と3日の2日間でダウ平均が780ドル以上上昇したことで大幅高となり、一時は810円以上上げる場面もありました。結果10月12日に付けた戻り高値(32,494円)を大きく上回りダブルボトムが完成したほか、一目均衡表の雲の上限(32,628円)も上に抜けてきました。そのため節目の33,000円回復への期待も高まりそうですが、この4日間で2,000円以上上げていることから一旦は利益確定の売りが出やすく、こうしたなかで明日も堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。なお、3月決算企業の上期決算発表が続いています。本日も引け後には帝人(3401)やJFEホールディングス(5411)、NTTデータグループ(9613)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)