東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。385円高の31,987円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分弱で485円高の32,087円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮め352円高の31,954円で前場を終えました。298円高の31,900円でスタートした後場の日経平均は直後に276円高の31,878円を付けた後やや戻しましたが、節目の32,000円を下回って推移すると結局348円高の31,949円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が3.4%高となっています。

2.個別銘柄等

京セラ(6971)が一時7.7%高となり年初来高値を更新しました。半導体需要の回復が遅れていることで上期の営業利益が前年同期比で29.4%減となり、通期の見通しも下方修正しましたが、7-9月期の営業利益が4-6月期に比べて増益となったことから業績の底打ちを期待した買いが優勢となりました。11時30分に上期決算を発表したキッコーマン(2801)も一時8.7%高となり年初来高値を更新しました。国内で主力のしょうゆなどの販売が堅調だったことなどにより627億円とみていた通期の事業利益の見通しを696億円に上方修正したことから後場に入って上げ幅を広げました。本決算を発表したサイバーエージェント(4751)も一時9.7%高となりました。インターネット広告事業でマージンの改善傾向が続くほか、インターネットテレビの赤字縮小も見込まれることなどにより2024年9月期の営業利益が前期比で22.2%増となる見通しを示したことから大幅高となりました。

一方でアステラス製薬(4503)が一時6.6%安となり年初来安値を更新しました。7月の米バイオ医薬品企業の買収に伴うコスト増により2,590億円とみていた通期の営業利益の見通しを1,230億円に下方修正したことで売りが膨らみました。オリックス(8591)も6.3%安となりました。国内でレンタカーや自動車リースなどが伸びたほか、ホテルなど不動産事業も好調だったことなどにより上期の純利益は前年同月比4.7%増となりましたが、通期の見通しに対する進捗率が38.8%にとどまったことで売りが優勢となりました。また、昨日の米国市場で減収となった決算を嫌気した売りが出て化粧品大手の米エスティ・ローダー[EL]が大幅安となったことから資生堂(4911)やコーセー(4922)が安く、資生堂が一時5.5%安となり年初来安値を更新したほか、コーセーも一時2.8%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は348円高となりました。利上げを見送った米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて金融引き締めに対する過度な警戒感が後退し昨日の米国市場が続伸となったことから買いが優勢となりました。上げ幅を広げ一時は480円以上上げる場面もありましたが、3連休前ということもあり節目の32,000円を上回ったところで伸び悩むと32,000円を下回って取引を終えました。そのため来週は決算発表を支えに32,000円を超えてさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはコニカミノルタ(4902)や川崎汽船(9107)、KDDI(9433)などが決算を発表する予定です。また、2日の米国ではアップル[AAPL]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)