東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。240円高の31,302円で寄り付いた日経平均は9時40分過ぎに190円高の31,252円まで上げ幅を縮めました。しかし、そこから切り返すと404円高の31,466円まで上昇し本日の高値で前場を終えました。344円高の31,406円でスタートした後場の日経平均は13時50分過ぎに384円高の31,446円まで上昇した後伸び悩むと14時50分過ぎに133円高の31,195円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけてやや持ち直すと結局207円高の31,269円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したシマノ(7309)が一時5.8%高となりました。自転車部品が想定ほど落ち込まなかったことなどから700億円とみていた通期の営業利益の見通しを770億円に上方修正したことで大幅高となりました。中外製薬(4519)も一時2.9%高となりました。主力の血友病治療薬などの海外向け販売が好調で、無形資産の償却や減損、リストラ費用などを除いた第3四半期のコア営業利益が前年同期比で82.1%増となったことから買いが優勢となりました。雪印メグミルク(2270)も一時6.9%高となりました。昨年来実施している価格改定が着実に浸透したことや、エネルギーをはじめとするコストの上昇幅が想定したレベルを下回ったことなどにより140億円とみていた通期の営業利益の見通しを182億円に引き上げたことから上げ幅を広げる場面がありました。超純水装置を手掛ける野村マイクロ・サイエンス(6254)も16.9%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。国内や米国において大型水処理装置の受注が見込まれることなどから70億円とみていた通期の営業利益の見通しを96億5千万円に上方修正したことから買いを集めました。一方で上期決算を発表したコメリ(8218)やKOA(6999)が大幅安となりました。コメリは園芸シーズンの天候不順や今夏の猛暑で家庭菜園向け商品が低調だったことなどにより270億円とみていた通期の営業利益の見通しを218億円に下方修正したことから一時4.1%安となりました。KOAも主力製品で電流の制御に使う抵抗器の販売が産業機器や家電向けなどで低調なことなどにより67億円とみていた通期の営業利益の見通しを23億円に引き下げたことから一時11.9%安となり年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は207円高となりました。昨日の米国市場が決算を好感した買いで上昇したことから続伸となりました。上げ幅を広げ一時は400円以上上昇しましたが、節目の31,500円を前に伸び悩むと後場に入って上げ幅を縮めました。そのため決算発表が明日以降一段と本格化するなかで31,500円を超えてさらに戻りを試せるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時30分には9月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。また、25日の米国ではフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]やボーイング[BA]、IBM[IBM]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)