東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。107円安の31,151円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで222円安の31,036円まで下落した後一旦下げ渋りましたが、前引けにかけて下げ幅を広げると252円安の31,007円で前場を終えました。189円安の31,069円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると13時40分に285円安の30,974円まで下落しました。その後下げ渋ると節目の31,000円を回復する場面もありました。しかし、引けにかけて31,000円を割り込むと結局259円安の30,999円で取引を終えています。こうしたなか新興株は安く東証マザーズ指数が3.3%下落し先週末に続いて年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

日揮ホールディングス(1963)が一時3.4%高となりました。次世代太陽電池の本命で、曲げることができることから従来のシリコン製では不可能だった壁面や耐久性の弱い屋根にも置ける「ペロブスカイト型太陽電池」で2026年をメドに電力事業を始めると伝わったことで将来の収益拡大を期待した買いが入りました。エレクトロニクス専門商社の三信電気(8150)も一時4.7%高となりました。半導体の販売が当初見込んでいた計画以上に好調に推移したことや、為替相場も想定以上に円安基調で推移したことなどにより上期の営業利益の見通しを17億円から28億円に上方修正したことで大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて資生堂(4911)やディスコ(6146)が高く、資生堂が一時4.8%高となったほか、ディスコも一時4.7%高となりました。

一方で上期決算を発表した東京製鉄(5423)が一時6.0%安となりました。原材料の鉄スクラップの調達費が下がったことなどから通期の純利益の見通しを240億円から245億円に上方修正しましたが、市場予想に届かなかったことで失望売りが出ました。半導体パッケージ用基板を手掛ける新光電気工業(6967)も一時2.5%安となりました。パソコンなど向け需要の回復が鈍いことから通期の売上高の見通しを2610億円から2300億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。さらに原油先物価格の下落を受けて石油関連銘柄が安く、INPEX(1605)が一時2.6%安、石油資源開発(1662)が一時2.8%安、出光興産(5019)が一時2.4%安、ENEOSホールディングス(5020)が一時3.0%安、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時3.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は259円安となりました。イスラエルとイスラム組織ハマスとの紛争拡大を警戒した売りが出て先週末の米国市場が下落となったことから続落となりました。前場は節目の31,000円を前に下げ渋りました。しかし、後場に入ってさらに下げ幅を広げると31,000円をわずかに割り込んで取引を終えました。そのため警戒ムードが改めて高まりそうです。なお、先週から3月決算企業の上期決算発表がスタートしています。本日も引け後にはニデック(6594)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)