今週(10月13日~10月19日)の相場動向

相場回顧 BTC:現物ETFへの期待により上昇

ビットコインは、米国証券取引委員会(SEC)がグレースケールとのビットコインETF転換をめぐる訴訟について上訴しない方針が明らかになったことを受けて、ビットコイン現物ETFへの期待が高まりBTC=426万円(28,500ドル)付近まで上昇した。

大手暗号資産メディアのコインテレグラフが「ブラックロックのビットコイン現物ETFが承認」というヘッドラインをX(旧:Twitter)上で投稿し、それが拡散される中で一時的にBTC=448万円(30,000ドル)付近まで高騰した。しかし、ブラックロックが自ら事実を否定し、それが誤報であることが伝わるとたちまち急落した。

その後、米国で本格化する企業決算を見極めようとBTC=426万円(28,500ドル)付近でもみ合いの展開となった。フィデリティがインベスコとアーク・インベストに続いてビットコイン現物ETFの申請内容を修正し、承認への期待で再び買いが強まる場面も見られた。

しかし、金融引き締めが長期化するとの見方から米国金利の上昇が継続し、パレスチナ情勢も緊迫化する中で上値の重い展開となった。注目されたテスラ[TSLA]の2023年第3四半期の決算ではビットコイン保有量に変動はなかった。

来週(10月20日~10月26日)の相場予想

BTCは金利見通しの思惑に左右されながらも方向感に乏しい展開を予想

米国では堅調な経済指標を受けて金利が上昇し続けており、主要企業の決算内容によってはさらにその水準を伸ばし、リスク資産の売りを強めるだろう。

一方、先週より米国では連銀総裁やウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事らによるハト派寄りの発言が相次いでおり、今月末に控える米連邦公開市場員会(FOMC)での金利据え置きの見方が強まりつつある。当日を迎えるまでは金利見通しの思惑に相場が左右されながらも方向感に乏しい展開を予想する。

パレスチナ情勢の緊迫化によってリスク資産の売りが強まることが警戒される一方で、安全資産である金の価格が上昇しており、ビットコインも逃避資産としての見方から一部で買われることは考えられる。ビットコインドミナンスは52%付近まで上昇しており、暗号資産の中でもアルトコインからビットコインへ逃避する動きが強まっている。

米国のビットコイン現物ETFについては、今週の誤報によって相場が乱高下したものの、承認への期待の高さが改めて確認された。グレースケールのETF転換を含めて、各社は米SECに認められるため申請内容を見直すなどの努力をしており、時期の明言は難しいが、近く実現によって相場が上向くことは期待できるだろう。

直近、上値として今週の高値付近であるBTC=448万円(30,000ドル)、下値として先週の底値付近であるBTC=396万円(26,500ドル)を意識する。