東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに反発しました。404円高の32,063円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分余りで601円高の32,260円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと後場に入り12時50分前には242円高の31,901円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後持ち直すと節目の32,000円を挟んでもみ合う展開となり結局381円高の32,040円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
住友不動産(8830)が一時2.7%高となりました。インドのムンバイの中心部で総事業費5000億円を投じ、オフィスビルやホテル、商業施設を備えた複合型の不動産開発を進めると伝わったことで買いが優勢となりました。ラクス(3923)も一時7.6%高となりました。経費精算のクラウドサービス「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」が大きく伸びたことなどにより9月の連結売上高が43.7%増となったことから上げ幅を広げる場面がありました。パーク24(4666)も一時3.8%高となりました。9月のタイムズパーキング売上高が前年同月比で6.5%増となったことを好感した買いが入りました。
また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1%を超える上昇となったことで半導体関連株が高く、東京エレクトロン(8035)が一時3.3%高、SCREENホールディングス(7735)が一時5.4%高、レーザーテック(6920)が一時5.2%高、アドバンテスト(6857)が一時3.7%高、ディスコ(6146)も一時3.6%高となり、レーザーテックは年初来高値を更新しています。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けてテルモ(4543)やバンダイナムコホールディングス(7832)が高く、テルモが一時5.5%高、バンダイナムコホールディングスも一時5.7%高となりました。一方で日本国土開発(1887)が一時6.8%安となりました。人件費や資材コストが膨らんだことから第1四半期の営業損益が6億円を超す赤字となったことから売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は381円高となりました。米国企業の決算発表が順調なスタートを切るなかこれから本格化する決算発表への期待から昨日の米国市場が上昇したことで買いが優勢となりました。一時は節目の32,000円を超えて上げ幅を広げ600円以上上昇する場面もありました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を大きく縮めました。そのため大幅高となり節目の32,000円を回復したものの上値の重さがやや意識されそうです。なお、日本時間の21時30分に9月の米小売売上高が発表されるほか、22時15分には9月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、17日の米国ではバンク・オブ・アメリカ[BAC]やゴールドマン・サックス[GS]が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)