東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。日経平均は320円高の31,314円でスタートすると寄り付きを安値に大きく上げ幅を広げ、 772円高の31,766円で前場を終えました。697円高の31,692円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げると14時30分過ぎに823円高の31,818円まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き高値圏で推移すると結局751円高の31,746円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

安川電機(6506)が一時5.0%高となりました。省人化需要を背景にロボットの販売が堅調だったことなどにより上期の営業利益が前年同期比で5.8%増となったことで買いが先行しました。しかし、受注が冴えなかったこともあり買い一巡後に伸び悩むと0.9%安で取引を終えています。また、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が激化するなか防衛関連銘柄が買われました。三菱重工業(7011)が一時6.3%高、川崎重工業(7012)が一時6.7%高、IHI(7013)が一時4.4%高となったほか、東証スタンダード市場では石川製作所(6208)が一時5.8%高、細谷火工(4274)も一時10.3%高となりました。さらに中東地域での戦闘激化を受けて原油先物価格が大きく上昇したことから原油関連株も買われました。INPEX(1605)が一時10.2%高、石油資源開発(1662)が一時12.8%高、出光興産(5019)が一時6.8%高、ENEOSホールディングス(5020)が一時7.4%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時6.0%高となりました。資源関連株として商社株も高く、伊藤忠商事(8001)が一時7.8%高、丸紅(8002)が一時5.7%高、三井物産(8031)が一時5.4%高、住友商事(8053)が一時4.4%高、三菱商事(8058)も一時4.0%高となっています。

一方で原油先物価格の上昇を受けて空運株が安く、日本航空(9201)が一時3.4%安、ANAホールディングス(9202)も一時2.2%安となりました。ウェザーニューズ(4825)も一時5.3%安となり年初来安値を更新しました。テレビCMなどの広告費や人件費が重荷となり第1四半期の営業利益が前年同期比で12.1%減となったことで大幅安となりました。サカタのタネ(1377)もインフレ下で人件費や販管費がかさんだことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で5.3%減となったことから一時7.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は751円高となりました。金融引き締め長期化への懸念が後退したことなどにより米国市場でダウ平均が先週末と昨日の2日間で485ドル上昇したことから大幅高となりました。節目の31,000円をしっかりと上回って寄り付くとさらに大きく上げ幅を広げ節目の31,500円も超えて一時は31,800円台を付ける場面もありました。そのため警戒ムードが後退しそうですが、米卸売物価指数(PPI)や米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見となりやすいなかでさらに戻りを試せるかが明日はポイントとなりそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算発表が続いていますが本日も引け後にはJ.フロント リテイリング(3086)やウエルシアホールディングス(3141)、ライフコーポレーション(8194)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)