【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,618.88  ▼388.00 (9/26)
NASDAQ: 13,063.61  ▼207.71 (9/26)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇や、米議会の予算協議が難航するなか政府機関閉鎖の可能性への警戒感が重石となり反落となりました。144ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に126ドル安まで戻した後下げ幅を大きく広げると取引終盤に437ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直しましたが、上値は重く結局388ドル安の33,618ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も207ポイント安の13,063ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比0.1%上昇し市場予想も上回りました。一方で9月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は103.0と前月から低下し市場予想を下回りました。8月の米新築住宅販売件数も年率換算で8.7%減の67万5000戸となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも公益事業が3%安となったほか、一般消費財・サービスも2%安となりました。また、不動産と情報技術、資本財・サービス、素材、コミュニケーション・サービス、金融も1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はアムジェン[AMGN]とトラベラーズ[TRV]を除く28銘柄が下げました。そのなかでもアップル[AAPL]とIBM[IBM]、ハネウェル・インターナショナル[HON]が2%を超える下落となったほか、セールスフォース[CRM]も2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が安く、なかでもアマゾン・ドット・コム[AMZN]が4%安となりました。米連邦取引委員会が反トラスト法(独占禁止法)に違反した疑いでアマゾン・ドット・コムを提訴したことを嫌気した売りが出ました。また、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も2%近く下げたうえ、ネットフリックス[NFLX]とテスラ[TSLA]も1%以上下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの4.53%となりました。一時は4.56%まで上昇し2007年10月以来、およそ16年ぶりの高水準を付ける場面もありました。こうしたなかドル円ではさらに円安が進み149円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が節目の32,000円を前に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は3月末決算銘柄の権利付き最終売買日です。配当取りの買いに加え、引けにかけてパッシブファンドによる配当の再投資に絡む先物買いがみられるかが注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)