東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反落となりました。38円安の32,640円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を広げ取引開始から40分弱で312円安の32,366円まで下落した後下げ渋ると10時30分前に200円安の32,477円まで戻しました。しかし、節目の32,500円を前に上値は重く再び下げ幅を広げると引けにかけて一段安となり結局363円安の32,315円で取引を終え安値引けとなりました。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
しまむら(8227)が一時1.8%高となりました。前年に比べ土日祝日が少なかったにも関わらず9月の既存店売上高が前年同月比0.4%減とほぼ変わらずとなったことを好感した買いが優勢となりました。半導体製造装置を手掛けるTOWA(6315)も一時5.4%高となり年初来高値を更新しました。データセンターの効率的な運用などを目指して複数の半導体を1つにまとめる封止装置を開発したと伝わったことを材料視した買いが入りました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと0.4%安で取引を終えています。日本取引所グループ(8697)も一時4.6%高となり年初来高値を更新しました。最近の市況動向を踏まえ前提となる1日平均の売買代金や取引高について見直したことで685億円とみていた通期の営業利益の見通しを770億円に上方修正したことから買いが優勢となりました。また、米長期金利の上昇を受けて生保株が堅調でT&Dホールディングス(8795)が一時5.1%高、第一生命ホールディングス(8750)も一時1.7%高となりました。
一方で米長期金利の上昇を受けて半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が3.7%安、SCREENホールディングス(7735)が一時4.3%安、アドバンテスト(6857)が一時2.7%安、ディスコ(6146)も一時2.5%安となりました。さらに自転車小売り大手のあさひ(3333)が一時4.1%安となりました。スポーツサイクルなどの需要が縮小して新車の販売台数が約5%減少したことに加え、仕入れ価格や人件費も増加したこともあり上期の営業利益が前年同期比で1.0%減となったことから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は363円安となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まるなか利益確定の売りが出て小幅安で寄り付くと、米長期金利の上昇を受けて指数寄与度の大きい半導体関連銘柄などが売られたことで下げ幅を広げる展開となりました。朝方の売り一巡後には下げ渋る場面もありました。しかし、節目の32,500円を前に上値は重く後場に入ってさらに下げ幅を広げる展開となり、昨日に回復した75日移動平均線(32,661円)や25日移動平均線(32,621円)、一目均衡表の雲の上限(32,524円)を割り込み安値引けとなりました。そのため警戒ムードが改めて強まりそうです。なお、明日は3月末決算銘柄の権利付き最終売買日です。配当取りの買いに加え、引けにかけてパッシブファンドによる配当の再投資に絡む先物買いがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)