東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。158円安の32,865円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで83円安の32,939円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ376円安の32,647円で前場を終えました。さらに下げ幅を広げ397円安の32,626円でスタートした後場の日経平均は14時30分前に473円安の32,550円まで下落した後下げ渋りましたが、引き続き安値圏で推移すると結局452円安の32,571円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて金融引き締めが長期化するとの見方から昨日の米長期金利が2007年11月以来およそ16年ぶりの高水準となったことから3メガバンクが高く年初来高値を更新しました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.3%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時3.0%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.6%高となりました。八洲電機(3153)も一時10.4%高となりました。プラント事業を中心に老朽設備の維持・保全案件等の大型工事案件が好調に推移したほか、付加価値の高いエンジニアリング案件に注力したことで利益率が改善したこともあり29億円とみていた通期の営業利益の見通しを33億円に上方修正したことから大幅高となりました。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてくら寿司(2695)やジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)が高く、くら寿司が一時6.0%高となり、ジーエス・ユアサ コーポレーションも一時3.9%高となりました。一方でサツドラホールディングス(3544)が一時8.0%安となりました。新型コロナウイルス感染対策の緩和でインバウンド客が増加したことなどで第1四半期の営業利益は前年同期比で3.2倍となりましたが、通期予想に対する進捗率が22.7%に止まったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は452円安となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けてハイテク株を中心に売りが出て昨日の米国市場が続落となったことから大幅安となりました。朝方には下げ渋る場面もありました。しかし、節目の33,000円を前に上値は重く下げ幅を大きく広げると75日移動平均線(32,643円)を下回って取引を終えました。そのため25日移動平均線(32,511円)割れを警戒する見方も出てきそうですが、3日間で960円以上も下げたことから明日以降の自律反発に期待したいところです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが発表されるほか、23時には8月の米中古住宅販売件数や8月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。また、明日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。金融政策に変更はないとみられていますが、一部には緩和修正観測もあることから結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)