【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,624.30  △6.06 (9/18)
NASDAQ: 13,710.24  △1.90 (9/18)

1.概況

先週末の米国市場は長期金利の上昇や半導体需要が想定以上に落ち込むとの懸念が浮上したことなどで反落となりました。5ドル安でスタートしたダウ平均は寄り付きを高値に下げ幅を大きく広げると昼過ぎに334ドル安まで下落しました。その後下げ渋ると取引終盤には230ドル安程度まで持ち直す場面もありました。しかし、上値は重く引けにかけて下げ幅を広げると結局288ドル安の34,618ドルで取引を終えて反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も217ポイント安の13,708ポイントと3日ぶりに反落となっています。昨日の米国市場は20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて様子見となるなかディフェンシブ銘柄の一角に買いが入り小幅に反発しました。5ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に72ドル安まで下落した後持ち直すと昼過ぎに106ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むと結局6ドル高の34,624ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も1ポイント高の13,710ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週末に発表となった9月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は1.90と前月のマイナス19.0から大幅に上昇し市場予想も上回りました。また、8月の米輸入物価指数も前月比0.5%上昇し市場予想を上回り、米輸出物価指数も前月比1.3%上昇し市場予想を上回りました。さらに8月の米鉱工業生産指数も前月比0.4%上昇し市場予想を上回ったほか、設備稼働率も79.7%と前月から上昇し市場予想を上回っています。一方で9月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は67.7と前月から低下し市場予想も下回りました。昨日発表の9月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は45と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術と一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、エネルギーとコミュニケーション・サービス、素材も1%以上下げています。昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、金融などの6業種が上げました。一方で一般消費財・サービスや不動産、素材などの5業種が下げ、一般消費財・サービスは1%安となっています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場では半導体受託製造最大手の台湾のTSMCが複数の取引先に高性能半導体製造装置の出荷を遅らせるよう要請したと伝わったことで、半導体需要が想定以上に落ち込むとの懸念が浮上し半導体関連株が売られました。半導体製造装置株ではKLA[KLAC]とラム・リサーチ[LRCX]が5%以上下げ、アプライド・マテリアルズ[AMAT]も4%を超える下落となりました。また、半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が5%近く下げ、エヌビディア[NVDA]も3%を上回る下落となりました。インテル[INTC]とマイクロン・テクノロジー[MU]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%以上下げています。さらに長期金利の上昇を受けて主力ハイテク株も安く、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が3%を超える下落となり、アマゾン・ドット・コム[AMZN]も3%近く下げました。マイクロソフト[MSFT]も2%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。昨日の米国市場ではアップル[AAPL]が新型スマホのiPhone15シリーズの予約が好調だと伝わったことで2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。一方で証券会社が利益予想を下方修正したことでテスラ[TSLA]が3%を超える下落となりました。先週に始まった全米自動車労組(UAW)のストライキが続いていることが嫌気されフォード・モーター[F]やゼネラル・モーターズ[GM]も安く、フォード・モーターが2%余り下げ、ゼネラル・モーターズも2%近く下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は市場予想を上回る経済指標が相次いで発表されたことで0.04%高い4.33%となりました。また、昨日の長期金利は0.03%低い4.30%となっています。ドル円は147円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場でダウ平均が昨日と先週末の2日間トータルで280ドルを超える下落となり、ナスダック総合株価指数も2日間で215ポイントの下げとなったことから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)