【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,575.53 ▼70.46 (9/13)
NASDAQ: 13,813.59 △39.97 (9/13)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は景気敏感株に売りが出て続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は長期金利の低下を受けてハイテク株の一角が買われたことで反発しました。21ドル高でスタートしたダウ平均は直後に121ドル高まで上昇した後上げ幅を縮めるとまもなくしてマイナスに転じましたが、下げ渋ると持ち直しプラスに転じました。しかし、上値は重く伸び悩むと取引終盤に再びマイナスとなり一時は136ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直しましたが結局70ドル安の34,575ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が5ポイント高の4,467ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント高の13,813ポイントとなっています。
2.経済指標等
8月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇と前月から伸びが加速し市場予想も上回りました。また、変動の大きき食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比4.3%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想と一致しています。さらに8月の米財政収支は890億ドルの黒字となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスなどの6業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となりました。一方で不動産やエネルギー、資本財・サービスなどの5業種が下げ、不動産は1%安となっています。
4.個別銘柄動向
経営陣が2024年の成長ペースが鈍化するとの見方を示したことでスリーエム[MMM]が5%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、アメリカン航空グループ[AAL]が7-9月期の業績見通しを下方修正したことで5%を上回る下落となりました。他の空運株にも売りが波及し、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス[UAL]が4%近く下げ、デルタ航空[DAL]も3%近く下落しています。一方で長期金利の低下を受けて半導体株が高くアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とウエスタン・デジタル[WDC]が2%を超える上昇となり、エヌビディア[NVDA]とクアルコム[QCOM]も1%以上上げています。主力ハイテク株の一角も堅調でアマゾン・ドット・コム[AMZN]が2%を上回る上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]、テスラ[TSLA]も1%以上上げています。さらにバイオ製薬のモデルナ[MRNA]がインフルエンザワクチンの第3相臨床試験で良好な結果が得られたと発表したことで3%余り上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は8月の米CPIでコア指数の伸びが前月から鈍化したことから米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方が強まり0.03%低い4.25%となりました。ドル円は147円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でハイテク株の一角が買われた流れを受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)