G20サミットではアフリカの存在感が感じられました。ゴールドマンサックスの予測によれば2020年に1.3%のGDP世界シェアは2075年に7.4%にまで高まるそうで、巨大市場への経済的な期待に繋がっています。国連の人口統計によると現在人口大国10位にはナイジェリアが6位に入るのみですが、2100年予想ではナイジェリアの他、コンゴ民主共和国、エチオピア、タンザニア、エジプトが入ります。なおその間の人口増減率上位10位はすべてアフリカ諸国でした。

人口は成長力を高める要素ですが、GDPは国内での一人ひとりの経済活動になりますので人口が影響します。よって他の尺度として一人当たりGDPで平均的な豊かさを見ることもありますが、アフリカ最大の経済大国ナイジェリアの現在の一人当たりGDPは2,200ドルと、日本では1970年頃の状況です。高度経済成長期終盤に当たりますが、一般的に一人当たりGDPは1,000ドルを超えて高度成長期に入り、3,000ドルを超えると都市化や工業化が進み嗜好的な消費市場が拡大すると言われます。全体規模だけではなく、質と共に成長していくことでしょう。なお3,000ドルは中国では2008年のことですが、情報技術の著しい進歩の中で発展の時間軸はより短縮されている可能性も意識されます。

世界のパワーバランスが混とんとする中で、グローバルサウスの存在感が高まっています。テクノロジーの活用余地も高く、私の同僚もまさに今ベンチャーキャピタル事業でアフリカに注目していますが、成長の享受のみならず経済成長への貢献にもつながる投資です。新興国投資は流動性などリスクも意識される一方で、中長期的な投資への注目度も増しており、未だ政治的・治安的な不安定さは多いものの、今後一層存在感を高めていく市場となるでしょう。