東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に続伸となりました。110円高の32,280円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで219円高の32,389円まで上昇した後伸び悩むと11時過ぎに16円高の32,186円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し12時40分前には125円高の32,295円まで戻しました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮めると結局56円高の32,226円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

楽天グループ(4755)が一時3.2%高となりました。6月に通信品質を改善した新プランを導入したことで傘下の楽天モバイルの契約数が500万件を突破したと発表したことから買いが優勢となりました。上期決算を発表したダイドーグループホールディングス(2590)も一時6.6%高となり年初来高値を更新しました。未定としていた通期の業績予想を発表し、主力の飲料事業でコスト圧縮を進めたことや、缶コーヒーなどを値上げした効果もあり営業利益が前期比3.0倍の21億円になるとの見通しを示したことから大幅高となりました。サカイ引越センター(9039)も一時9.7%高となりました。21日に発表した株式の売出しを最近の株価動向などを勘案し中止するとしたことから需給悪化懸念が後退し上げ幅を広げました。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのが東和薬品(4553)と相鉄ホールディングス(9003)で、東和薬品が一時5.5%高、相鉄ホールディングスも一時4.9%高となりました。さらに東証スタンダード市場では麻袋大手の日本製麻(3306)や電子機器製造の大日光・エンジニアリング(6635)が大幅高となりました。日本製麻はカレーチェーンを運営するゴーゴーカレーグループが日本製麻の株式をさらに買い増ししたことが北陸財務局に提出した変更報告書により分かったことから一時16.3%高となり、大日光・エンジニアリングも台湾のリチウムイオン電池製品メーカーと包括的業務提携を結んだと発表したことで一時19.2%上昇しストップ高となる場面がありました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は56円高となりました。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が行われた米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)の無難通過を好感した買いが続き昨日の米国市場が上昇となったことから続伸となりました。朝方には220円近く上昇し25日移動平均線(32,276円)を上回る場面もありました。しかし、新規の材料に乏しいこともあり買い一巡後に伸び悩むと25日移動平均線を下回って取引を終えました。そのため上値の重さが意識されそうで25日移動平均線を超えてさらに戻りを試せるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数や7月の米雇用動態調査(JOLTS)が発表となる予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)