【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,099.42 ▼373.56 (8/24)
NASDAQ: 13,463.97 ▼257.06 (8/24)
1.概況
米国市場はジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に持ち高調整の売りが出て大幅反落となりました。33ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じると221ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ下げ幅を大きく広げました。結局ダウ平均は373ドル安の34,099ドルと安値圏で取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も257ポイント安の13,463ポイントと4日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件減の23万件となり横ばいを見込んでいた市場予想を下回り改善しました。また、7月の米耐久財受注額は前月比5.2%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスが2%以上下げたほか、資本財・サービスも1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。ボーイング[BA]が航空機部品の不具合が発覚したことで5%近く下げ下落率トップとなったほか、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]とインテル[INTC]も4%を超える下落となりました。また、ウォルト・ディズニー[DIS]も4%近く下げ、アップル[AAPL]とマイクロソフト[MSFT]も2%を上回る下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が軟調でネットフリックス[NFLX]が5%近く下げ、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]、テスラ[TSLA]も2%を超える下落となりました。
半導体関連株も安く半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が7%近く下げ、マイクロン・テクノロジー[MU]とクアルコム[QCOM]、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]、ウエスタン・デジタル[WDC]も2%を超える下落となりました。さらに半導体製造装置株ではアプライド・マテリアルズ[AMAT]とラム・リサーチ[LRCX]、KLA[KLAC]が3%以上下げています。一方で前日の取引終了後に決算を発表した画像処理半導体のエヌビディア[NVDA]が小幅に上昇しました。好決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだことから一時は大幅高となりましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと小幅高で取引を終えています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い4.23%となりました。ドル円は145円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。今晩にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え様子見となりやすいなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)