東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続伸となりました。120円高の32,130円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで188円高の32,199円まで上昇しましたが、伸び悩むと10時20分過ぎには52円高の32,063円まで上げ幅を縮めました。しかし、そこから切り返すと後場に入り14時30分過ぎに287円高の32,297円まで上昇し結局276円高の32,287円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
生成人工知能(AI)に使う半導体が好調で決算が大幅な増益となった画像半導体大手の米エヌビディア(NVDA)が米国の時間外取引で大幅高となったことから半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時3.3%高、アドバンテスト(6857)が一時5.2%高、レーザーテック(6920)が一時4.1%高、ディスコ(6146)が一時6.2%高、イビデン(4062)も一時8.5%高となり、ディスコとイビデンは年初来高値を更新しています。
さらに生成AI関連銘柄にも物色の矛先が向かいました。さくらインターネット(3778)が一時11.8%高となったほか、東証グロース市場ではヘッドウォータース(4011)が一時15.1%高となりストップ高となる場面がありました。しまむら(8227)も一時2.6%高となりました。高い気温の日が続いたことや外出需要の増加などにより婦人・紳士・子供の夏物アウター衣料などの販売が伸びたことで8月の既存店売上高が前年同期比で12%増となったことから買いが優勢となりました。船井総研ホールディングス(9757)も一時7.6%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の2.4%にあたる120万株、30億円を上限とした自社株買いを発表したことで大幅高となりました。
また、目標株価の引き上げを受けて山崎製パン(2212)やラーメン店の「一風堂」を展開する力の源ホールディングス(3561)が高く、山崎製パンが一時2.3%高となり年初来高値を更新したうえ、力の源ホールディングスも一時6.1%高となりました。一方でNTN(6472)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時3.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は276円高となりました。米長期金利の上昇一服を好感し昨日の米国市場が上昇したことや、米エヌビディアの好決算を受けて買いが優勢となりました。朝方の買い一巡後には伸び悩む場面もありましたが、50円高余りまで上げ幅を縮めたところで切り返すと後場に一段高となり75日移動平均線(32,102円)をしっかりと上回って取引を終えました。そのため警戒ムードが一段と和らぎそうで、明日も買いが優勢となった場合には国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を夜に控え様子見となりやすいなかで上値抵抗線として意識されやすい25日移動平均線(32,335円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や7月の米耐久財受注額が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)