東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅反落となりました。273円安の31,965円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分で453円安の31,784円まで下げ幅を広げた後持ち直すと後場に入り12時40分には287円安の31,951円まで戻しました。しかし、節目の32,000円を前に上値は重く再び下げ幅を広げると結局472円安の31,766円で取引を終え安値引けとなりました。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
格付け会社フィッチ・レーティングスが米銀大手を含む70行以上を格下げする可能性があると伝わったことから昨日の米国市場で大手金融株が売られた流れを受けて日本市場でもメガバンクが軟調でした。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.0%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時1.8%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.3%安となりました。原油先物価格の下落を受けて石油関連株も売られました。INPEX(1605)が一時3.8%安、出光興産(5019)が一時3.9%安、ENEOSホールディングス(5020)も一時3.4%安となっています。
また、目標株価の引き下げを受けてコニカミノルタ(4902)が一時4.2%安となり、目標株価と投資判断の引き下げを受けて第一生命ホールディングス(8750)も一時3.7%安となっています。一方でパーク24(4666)が一時4.4%高となりました。新型コロナウイルスの5類移行に伴う行動制限の緩和で行楽需要や法人営業の再開に伴う駐車場利用が増えていることなどで国内の駐車場事業である「タイムズパーキング」の7月の売上高が前年同月比6.7%増だったと発表したことから大幅高となりました。高級レストランなどを展開するひらまつ(2764)も一時10.8%高となりました。高単価の季節限定プランなどが好調だったことなどで7月の全社売上高が前年同月比8.8%増となり6月の0.5%増から伸びが拡大したことから買いを集めました。さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けてクラレ(3405)が一時4.5%高となり年初来高値を更新したほか、投資判断の引き上げを受けてギフティ(4449)も一時13.1%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は472円安となりました。中国景気の減速懸念が強まったことや、格付け会社が大手米銀を含む70行以上を格下げする可能性があると伝わったことで昨日の米国市場が大幅反落となったことから下げ幅を大きく広げました。7月12日の安値(31,791円)を小幅に下回ったところで下げ渋ると後場に入り節目の32,000円近くまで持ち直す場面もありました。
しかし、32,000円を前に上値は重く取引終盤に再び下げ幅を広げると結局7月12日の安値を下回り安値引けで取引を終えました。そのため警戒ムードが強まることになりそうです。なお、引け後には7月の訪日外国人客数が発表されるほか、日本時間の21時30分には7月の米住宅着工件数が、そして22時15分には7月の米鉱工業生産指数が発表される予定です。また、17日の午前3時には7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)