プライムは保ち合い継続、グロースは反転攻勢のチャンス到来か

TOPIX(東証株価指数)は値固めの保ち合いが続きそうですが、同じ保ち合いでも底値固めが進んだようにみえるのが、マザーズ指数です。為替市場でもTOPIXの保ち合いに歩調を合わせるように、米ドル/円は保ち合いが続く公算が大きいでしょう。年末までの再度の円安・株高相場への準備という意味でも、踊り場形成は悪くはありません。

さて、TOPIXとマザーズ指数を、プライム市場指数(以下、プライム)とグロース市場指数(以下、グロース)に言い換えて話を進めます。

両者の4月あたりからの値動きは全く異なります。グロースは5月後半までのプライムの上昇の勢いに全くついていけませんでしたが、5月26日安値から約1ヶ月間で急上昇しました。グロースの出遅れが6月後半にはある程度解消されたわけです。

しかし、そこからプライムは保ち合いを続けているのに対し、グロースは大幅な値幅調整(下げ相場)を強いられました。しかしながら、ここにきて底値固め感が強くなり、再びグロースに反転攻勢のチャンスが到来してきたようです。

新値3本足から考察するグロース市場動向

週明け8月7日のグロースのローソク足は、比較的長い「陽線」を形成しました。私がシンプルかつ信頼性が高いと思っている、「新値3本足」とうトレンド転換を判断するテクニカル指標があります。現在のグロースは高値からの値幅調整によって、新値3本足は「陰転」が続く悪い状態にありますが、986.13ポイントを終値で上回ると、「陽転」の良い状態に変化することになります。

振り返ると、2022年12月30日の「陽転」、5月30日の「陽転」後はともによく上昇しました。8月7日のグロースの終値が984.19ポイントなので、ちょっと目が離せないタイミングになってきたようです。ちなみに、プライムは先週8月3日に「陰転」しています。

グロース市場に上場する企業の決算発表は8月9日から増加します。予想外にポジティブな反応を示せば、これまで蚊帳の外だった小型グロース株に目が向くことになるでしょう。