東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高と円安を受けて大幅反発となりました。369円高の33,128円で寄り付いた日経平均は上げ幅を広げると10時10分過ぎに642円高の33,402円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと13時40分には266円高の33,025円まで上げ幅を縮めました。しかし、節目の33,000円を割り込むことなく踏み止まると持ち直し結局412円高の33,172円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第1四半期決算を発表した日立(6501)や豊田通商(8015)、北海道電力(9509)が年初来高値を更新しました。日立がIoT基盤事業の「ルマーダ」が堅調に推移したことや、送配電網子会社の日立エナジーが好調だったことにより第1四半期の調整後営業利益が前年同期比で7.4%増となったことから6.8%高となったほか、豊田通商もアフリカでの車販売が好調に推移していることなどにより通期の純利益の見通しを2800億円から3000億円に上方修正したことで9.9%高となりました。また、北海道電力も6月に実施した電気料金の値上げ効果などで通期の営業損益が450億円の黒字に転換するとの見通しを示したことから13.8%高となりました。さらに円安を受けて自動車株が高く、トヨタ(7203)とホンダ(7267)が一時3.3%高、マツダ(7261)とSUBARU(7270)も一時3.6%高となり、トヨタは年初来高値を更新しています。
一方で第1四半期決算を発表したファナック(6954)やLIXIL(5938)が大幅安となりました。ファナックは中国で設備投資需要が鈍り主力の工場自動化(FA)部門が失速していることなどで1563億円とみていた通期の営業利益の見通しを1183億円に下方修正したことから7.3%安となりました。LIXILも日本や欧州で住宅設備需要が振るわず、コスト高などで採算が悪化しました。第1四半期決算の事業利益が前年同期比で46.3%減となったことから7.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は412円高となりました。6月の米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが鈍化したことで利上げ継続への懸念が後退し先週末の米国市場が反発したことや、ドル円が141円台後半まで円安となったことから上げ幅を広げ33,000円台を回復しました。そのため7月3日に付けた高値(33,753円)更新への期待も出てきそうで、一段と本格化する決算発表を支えにどこまで水準を切り上げることができるかが今週はポイントとなりそうです。なお、本日も引け後には三菱電機(6503)やパナソニック ホールディングス(6752)、京セラ(6971)、村田製作所(6981)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などが決算を発表する予定です。また、明日は取引時間中の13時25分にトヨタが決算を発表する予定で注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)