【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,922.26 ▼366.38 (7/6)
NASDAQ: 13,679.04 ▼112.61 (7/6)
1.概況
米国市場はADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで金融引き締めの長期化を警戒した売りが出て続落となりました。117ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に517ドル安まで下落した後持ち直しましたが、引き続き軟調に推移すると結局366ドル安の33,922ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も112ポイント安の13,679ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は49万7000人増となり市場予想を大きく上回りました。6月の米ISM非製造業景況感指数も53.9と前月から上昇し市場予想を上回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万2000件増の24万8000件となり市場予想以上に悪化しました。さらに5月の米貿易収支の赤字額は前月比7.3%減の689億8200万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスと公益事業、コミュニケーション・サービスも1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が下げました。そのなかでもホーム・デポ[HD]が3%近く下落したほか、スリーエム[MMM]とアメリカン・エキスプレス[AXP]、ゴールドマン・サックス[GS]、シェブロン[CVX]も2%以上下げています。一方でマイクロソフト[MSFT]とアップル[AAPL]の2銘柄が上昇し、マイクロソフトは目標株価の引き上げを受けて1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、エクソンモービル[XOM]がエネルギー価格下落や採算悪化で4-6月期の利益が1-3月期と比べて合計40億ドル前後下振れするとの見通しを公表したことから3%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利はADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで金融引き締めの長期化観測が改めて強まったことから0.10%高い4.03%となりました。ドル円は現在144円前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)