東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。241円安の33,512円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で176円安の33,576円まで持ち直しましたが、節目の33,500円を上回ったところでは上値が重く下げ幅を広げると10時40分前に414円安の33,338円まで下落しました。その後、日経平均は12時40分前に249円安の33,504円まで戻しました。しかし、再び下げ幅を広げると結局330円安の33,422円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が小幅に下落となっています。

2.個別銘柄等

百貨店株が堅調でした。免税売上高が大幅に伸びていることや高額品が好調なことなどで百貨店大手5社が発表した6月の既存店売上高(速報値)が全社で増収となったことから百貨店株が買われ、なかでも高島屋(8233)が一時2.9%高となりました。上期決算を発表した象印マホービン(7965)も一時12.1%高となり年初来高値を更新しました。利益率が高い海外でステンレスボトルや炊飯器などの調理家電の販売が伸びていることなどから39億円とみていた2023年11月期の営業利益を50億円に上方修正し、一転して増益予想となったことで買いを集めました。中古車販売大手のネクステージ(3186)も17.9%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。上期の営業利益は前年同期比で13.0%減となりましたが、仕入れ構成比の見直しなどを進め1台あたりの利益が改善したことで第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で29.9%増と増益に転じたことから急伸しました。また、国内大手証券が目標株価を引き上げたことからメガバンクが高く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時2.7%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時3.8%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時3.6%高となり、揃って年初来高値を更新しています。

一方で第一三共(4568)が一時15.3%下落しストップ安となり年初来安値を更新しました。英アストラゼネカと開発中の非小細胞肺がん治療薬の第3相臨床試験で、主要評価項目の一つである「全生存期間」で有意な改善を示せなかったと発表したことから売りが膨らみました。東証スタンダード市場ではワークマン(7564)が一時3.7%安となり年初来安値を更新しました。空調ファン付きウエアなど暑さ対策の商品が前年に記録的な猛暑で伸びた反動で6月の既存店売上高が前年同月比2.2%減となり3ヶ月連続で前年を下回ったことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は330円安となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まり新たな買い材料に乏しいなか、高値を付けた翌日ということもあり利益確定の売りが出て反落となりました。しかし、一時は410円以上下げたものの5日移動平均線(33,358円)をサポートに下げ渋ったことから地合いは大きく崩れていないといえそうで、高値更新への期待は引き続き高いといえそうです。なお、今晩の米国市場は独立記念日の祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)