東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。193円高の33,458円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で268円高の33,533円まで上昇しました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると9時30分過ぎにマイナスに転じ大きく下げ幅を広げる展開となりました。後場に入り13時30分に689円安の32,575円まで下落した日経平均はその後下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局483円安の32,781円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
東京電力ホールディングス(9501)が一時6.8%高となり年初来高値を更新しました。テロ対策上の不備が指摘され運転禁止の状態が続く柏崎刈羽原発に関して、7月中にも体制を整え改善を図る考えを示したことから再稼働に向けて前進したとの見方が出て大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて日本航空(9201)が一時3.0%高、ANAホールディングス(9202)も一時2.2%高となり年初来高値を更新しました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩み上げ幅を縮めるとANAホールディングスは小幅に下げて取引を終えています。さらにペット保険最大手のアニコム ホールディングス(8715)も一時4.8%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の2.4%にあたる200万株、10億円を上限とした自社株買いを発表したことから買いが優勢となりました。一方で利益確定の売りが出て昨日に上場来高値を付けた大手商社株が大幅安となりました。丸紅(8002)が3.4%安、三井物産(8031)が4.7%安、三菱商事(8058)が4.4%安となり揃って12営業日ぶりに反落となったほか、伊藤忠商事(8001)が4.0%安、住友商事(8053)も3.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は483円安となりました。昨日の米ハイテク株高や143円台前半まで進んだ円安を受けて上昇して始まりました。しかし、利益確定の売りが出て節目の33,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むとマイナスに転じ節目の33,000円を割り込み下げ幅を広げました。その結果、10週続いた上昇相場も一服となりましたが、昨日と本日の2日間で800円近い下落となったことから週明け以降の自律反発に期待したいところです。なお、日本時間の22時45分には6月の米製造業PMI速報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)