【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,946.71 ▼4.81 (6/22)
NASDAQ: 13,630.61 △128.41 (6/22)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で年内の追加利上げの必要性を改めて示唆したことや、英イングランド銀行などの欧州の中央銀行が相次いで利上げを決めたことを受けて金融引き締めの長期化が意識され4日続落となりました。しかし、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株が買われたことで4日ぶりに反発となりました。
51ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に116ドル安まで下落した後持ち直すとプラスに転じました。しかし、52ドル高で伸び悩むと再びマイナスとなりました。その後、取引終盤に小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く結局4ドル安の33,946ドルで取引を終え4日続落となりました。一方でS&P500株価指数が16ポイント高の4,381ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も128ポイント高の13,630ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比0.2%増の430万戸となり市場予想を上回りました。また、5月の米景気先行指標総合指数は前月比0.7%低下し市場予想と一致しました。さらに先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比横ばいの26万4000件となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、不動産とエネルギーが1%を超える下落となりました。一方で5業種が上げ、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスが1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではメルク[MRK]が2%を超える上昇となったほか、マイクロソフト[MSFT]とセールスフォース[CRM]、アップル[AAPL]、アムジェン[AMGN]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス[WBA]も1%以上上昇しています。一方でボーイング[BA]が3%余り下落し、JPモルガン・チェース[JPM]とIBM[IBM]も2%近く下げました。キャタピラー[CAT]とゴールドマン・サックス[GS]、シェブロン[CVX]、スリーエム[MMM]も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が堅調で、アマゾン・ドット・コム[AMZN]が4%以上上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とテスラ[TSLA]も2%前後の上昇となっています。コンサルティング大手のアクセンチュア[ACN]は決算で6-8月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことから2%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利はパウエルFRB議長の議会証言や英イングランド銀行の大幅利上げを受けて金融引き締めの長期化が意識され0.07%高い3.79%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ143円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は143円台前半まで進んだ円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の33,500円を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)