【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,951.52 ▼102.35 (6/21)
NASDAQ: 13,502.20 ▼165.10 (6/21)
1.概況
米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で年内の追加利上げの必要性を改めて示唆したことでハイテク株を中心に売りが出て3日続落となりました。63ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に177ドル安まで下落した後持ち直すと昼前にプラスに転じました。しかし、前日の終値を挟んで一進一退の展開になると引けにかけて売りが優勢となりました。結局ダウ平均は102ドル安の33,951ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も165ポイント安の13,502ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや公益事業、資本財・サービスなどの6業種が上げ、エネルギーは1%近く上昇しました。一方で5業種が下げ、情報技術とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスが1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)が6%安となったほか、セールスフォース(CRM)も3%以上下げました。ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%を超える下落となり、ゴールドマン・サックス(GS)とIBM(IBM)、シスコシステムズ(CSCO)、マイクロソフト(MSFT)、ウォルト・ディズニー(DIS)も1%以上下げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が軟調で、テスラ(TSLA)が投資判断の引き下げを受けて5%を上回る下落となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とネットフリックス(NFLX)も2%以上下げています。半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が5%を超える下落となり、クアルコム(QCOM)も3%以上下げました。テキサス・インスツルメンツ(TXN)も2%を上回る下落となっています。また、物流大手のフェデックス(FDX)が決算で売上高が市場予想を下回ったことから2%以上下げています。1ドルショップのダラーツリー(DLTR)は成長戦略を示したことで4%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの3.72%となりました。ドル円は141円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が昨日のように下げ渋り切り返すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)