東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。188円安の33,200円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で234円安の33,154円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋るとプラスに転じ11時20分過ぎに144円高の33,533円まで上昇しました。その後、一旦伸び悩むとわずかにマイナスとなる場面もありました。しかし、昨日の終値近辺で底堅さをみせると再び上げ幅を広げ14時過ぎに268円高の33,657円まで上昇し結局186円高の33,575円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が連日で年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が一時4.1%高となり年初来高値を更新しました。本日10時開催の定時株主総会を前に孫正義会長兼社長の総会での発言に期待が高まり朝方に上げ幅を広げる場面がありました。しかし、株主総会で人工知能(AI)などに関して踏み込んだ発言がなかったこともあり伸び悩むと11時過ぎに1.3%高まで上げ幅を縮める場面もありました。レンズ製造大手のタムロン(7740)も一時7.5%高となり年初来高値を更新しました。中間配当を従来計画から5円増やし35円にすると発表したことを好感した買いが入りました。雪国まいたけ(1375)も7.7%高となりました。きのこを主原料とした代替肉の開発に成功し、今年度中に最初の製品を発売することを目標に準備を進めていると発表したことを材料視した買いが入りました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのが資生堂(4911)や日本航空(9201)で、資生堂が一時3.7%、日本航空も一時3.6%高となりました。

一方でリコー(7752)が一時3.1%安となりました。米格付け会社のS&Pグローバルがリコーの長期格付けを「トリプルBプラス」から「トリプルB」に1段階引き下げたことを嫌気した売りが出ました。さらに東証スタンダード市場では東映アニメーション(4816)が投資判断の引き下げを受けて6.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は186円高となりました。堅調な経済指標を受けて金融引き締めの長期化が意識され昨日の米国市場が続落となったことから売りが先行し一時は230円以上下げる場面もありました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋るとプラスに転じ上げ幅を広げました。そのため押し目買い意欲の強さと地合いの堅調さが改めて意識されそうで、明日と明後日の取引で16日に付けたバブル崩壊後の高値(33,706円)を上回り11週連続での上昇となるかがポイントとなりそうです。なお、引け後には5月の訪日外国人客数が発表されるほか、日本時間の23時にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で証言を行う予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)