【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,299.12  ▼108.94 (6/16)
NASDAQ: 13,689.57  ▼93.25 (6/16)

1.概況

先週末の米国市場はリッチモンド連銀のバーキン総裁が今後発表される指標でインフレ率の低下が示されなければさらなる利上げを容認する意向を示したことなどから金融引き締めの長期化を懸念した売りが出て反落となりました。55ドル高でスタートしたダウ平均は直後に180ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼前にマイナスとなりましたが、下げ渋ると持ち直し昼過ぎに80ドル高余りまで再び上昇しました。しかし、買いが続かず取引終盤に上げ幅を縮めると引けにかけてマイナスに転じ結局108ドル安の34,299ドルで取引を終え反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も93ポイント安の13,689ポイントと7日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

6月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は63.9と前月から上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや情報技術、金融などの8業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%安となりました。一方で公益事業と素材、生活必需品の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%高となったほか、インテル(INTC)とビザ(V)、ナイキ(NKE)も1%以上上げました。一方でウォルト・ディズニー(DIS)とマイクロソフト(MSFT)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ウォルマート(WMT)が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではロボット掃除機のルンバを製造するアイロボット(IRBT)が急伸し21%以上上げました。英競争当局がアマゾン・ドット・コム(AMZN)によるアイロボットの買収を認可したことから買いを集めました。ソフトウエアのアドビ(ADB)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで1%近く上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.04%高い3.76%となりました。ドル円は日銀が金融政策決定会合で大規模緩和の維持を決めたことから円安が進み141円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円安を受けて堅調なスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)