【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,066.33 △189.55 (6/12)
NASDAQ: 13,461.92 △202.78 (6/12)
1.概況
米国市場はニューヨーク連銀が公表した5月の消費者調査で1年先の期待インフレ率が4.1%と2021年5月以来の低水準となったことで米連邦準備理事会(FRB)が13-14日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測が強まったことから続伸となりました。30ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に130ドル高近くまで上昇した後伸び悩むと1ドル高まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し取引終盤に一段高となりました。引け間際に201ドル高まで上昇したダウ平均は結局189ドル高の34,066ドルで取引を終え5日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も202ポイント高の13,461ポイントと3日続伸となりました。
2.経済指標等
5月の米財政収支は2403億ドルの赤字となり、赤字額は市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げました。そのなかでも情報技術が2%余り上昇したほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスも1%以上上げています。一方でエネルギーと公益事業、金融の3業種が下げ、エネルギーは1%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
半導体株が高くインテル(INTC)が5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ブロードコム(AVGO)もクラウド関連大手のVMウェア(VMW)の買収を欧州委員会が条件付きで承認する見通しと伝わったことから6%以上上げました。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)も3%を超える上昇となり、クアルコム(QCOM)とテキサス・インスツルメンツ(TXN)も2%以上上げています。半導体製造装置関連株も買われラムリサーチ(LRCX)が3%以上上昇し、アプライドマテリアルズ(AMAT)も3%近く上げました。また、主力ハイテク株も堅調でアマゾン・ドット・コム(AMZN)とテスラ(TSLA)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が2%以上上昇しています。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けてクルーズ船株が高くカーニバル(CCL)が12%以上上げ、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)も7%を超える上昇となりました。ロイヤル・カリビアン・グループ(RCL)も2%以上上げています。一方で証券取引所運営のナスダック(NDAQ)が新株発行伴う買収を発表したことから12%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い3.73%となりました。ドル円は139円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。日経平均は6日に付けたバブル崩壊後の高値(32,506円)を上回って上げ幅を広げそうですが、5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を夜に控え様子見となりやすいなかでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)