東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。146円高の32,412円で寄り付いた日経平均は10時40分過ぎに252円高の32,517円まで上昇した後伸び悩みましたが、高値圏で堅調に推移すると220円高の32,485円で前場を終えました。226円高の32,491円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに15円高の32,280円まで急速に上げ幅を縮める場面もありました。しかし、マイナスになることなく踏み止まるとその後持ち直し、結局168円高の32,434円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が3%を超す上昇となり2月9日に付けた年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

エーザイ(4523)が一時6.2%高となり年初来高値を更新しました。米食品医薬品局(FDA)がエーザイと米バイオジェン(BIIB)が開発するアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」に関する諮問委員会を開催し正式承認を推奨すると勧告したことからレカネマブの普及拡大を期待した買いが入りました。

第3四半期決算を発表した鳥貴族ホールディングス(3193)も一時13.5%高となり年初来高値を更新しました。主力の居酒屋「鳥貴族」で客足の回復が想定以上に進んだことなどで2023年7月期の業績予想を上方修正したことから大幅高となりました。

日本駐車場開発(2353)も11.7%高となりました。スキー場事業やテーマパーク事業ともに来場者数が大きく増加したことなどで第3四半期の営業利益が前年同期比で44.3%増となったことに加え、自社株買いを発表したこともあり、上げ幅を広げました。

上期決算を発表した除草剤などを手掛けるクミアイ化学工業(4996)も一時9.9%高となり年初来高値を更新しました。2023年10月期の年間配当を従来予想の24円から前期比20円増の42円に引き上げると発表したことから買いを集めました。

一方でくら寿司(2695)が一時3.5%安となりました。マグロやサーモンなどの食材価格が高騰したことや、光熱費や人件費の上昇もあり上期の営業損益が12億円近い赤字となったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は168円高となりました。ハイテク株への買いが続き先週末の米国市場が小幅に上昇となったことから続伸となりました。一時は250円以上上昇し6日に付けたバブル崩壊後の高値(32,506円)を上回る場面もありました。しかし、バブル崩壊後の高値を小幅に上回ったところで伸び悩むと後場に入り先週末の終値近辺まで上げ幅を縮める場面もありました。

そのためバブル崩壊後の高値を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうですが、今週は中銀ウイークで日米欧の中央銀行が金融政策を決める会合を相次いで開くことから様子見となる場面も増えそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)