先週、SEC(米証券取引委員会)が大手暗号資産取引所のバイナンスとコインベースに対して提訴を行いました。SECは両取引所が取り扱っている証券性の高いトークンの違法性を指摘しています。これを受けて、米投資アプリ運営のロビンフッドは提訴されたトークンの取扱い廃止を発表し、取引所の保有分は売却を進めると報じられました。
これをきっかけに、6月9日(金)から提訴されたアルトコインを中心に暗号資産市場は下落しました。
現時点(6月12日午前時点)で、BTCやETHはサポートラインを割り込んでいませんが、チャートの形状がかなり悪化しています。目先、調整相場となりそうです。
BTC(ビットコイン)、24,000ドルを意識する展開
BTC/USD日足チャート分析を見てみましょう。
並行チャネルレンジ内で推移しており、重要サポートライン25,300ドル手前で止められています。ここを割り込みますと、次のサポートラインは24,000ドルとなるでしょう。ここは並行チャネルラインの下限とサポートライン、SMA200が重なるポイントです。
今週半ばにここまで下がる場合は、買い場となりやすいのではないでしょうか。ドル建てのポイントを考慮しつつ、円建ての日足チャートを見てみましょう。
BTC/JPY日足チャート分析です。
SMA30とSMA90をしっかりと下回り、反転下落の体制が整っているように見えます。350万円付近にサポートラインを引くことができます。ここを割り込みますと、円建てでもドル建てでもストップロスを大きく巻き込みそうです。そのため、今週は、ここを割り込むことを前提に準備しておいたほうがよいでしょう。
24,000ドル=336万円(1ドル=140円で換算)となりますので、今週の買い場は335-340万円を目安にしておきたいと思います。
一方でポジティブなシナリオも示しておきましょう。350万円でのサポートが機能し、反発する場合は、下落期待のショートカバーを誘発できるでしょう。この足形からの反発はカウンター上昇になるように思います。
冒頭で触れた提訴について早々に和解金で解決する見通しが立つ場合、400万円まで上昇することが考えられます。このシナリオも頭に入れておくべきでしょう。私はさらに下落しても335-340万円あたりで底を打つのではないかと予想しています。
ETH(イーサリアム)、さらなる下落の可能性も
ETH/JPY日足チャート分析です。
ETHは三角保ち合いを継続中ですが、今にも割り込みそうです。アルトコインの続落がETHの足を引っ張っている状況でしょう。今後ETHが提訴の対象になる場合は、価格下落に拍車がかかりそうです。ただ、ETHは十分に分散されていること、開発者のヴィタリック・ブテリン氏が1%程度しか保有していないことを考慮すると、提訴の対象になる可能性は低いと考えています。
とは言え、ETH系トークンの下落に連れる形でETHの価格も下落する可能性が高いため、今週のエントリーは見送りたいと思います。
今後も暗号資産に関する提訴が続く可能性がありますので、注意が必要でしょう。