【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,762.76  △701.19 (6/2)
NASDAQ: 13,240.77  △139.78 (6/2)

1.概況

先週末の米国市場は米債務上限停止法案が議会を通過し債務不履行(デフォルト)が回避されたことや、米雇用統計で賃金の伸びが鈍化したことで米連邦準備理事会(FRB)が次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを見送るとの見方が強まったことから大幅続伸となりました。126ドル高でスタートしたダウ平均は一日を通して上げ幅を広げる展開となり取引終盤に743ドル高まで上昇すると結局701ドル高の33,762ドルで取引を終えました。ダウ平均の上げ幅は今年最大となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も139ポイント高の13,240ポイントとなりました。

2.経済指標等

5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から33万9000人増となり市場予想を大きく上回りました。失業率は3.7%と前月から上昇し市場予想を上回る悪化となりました。また、平均時給は前年同月比4.3%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想も下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも素材が3%を超える上昇となったほか、エネルギーと資本財・サービスも3%近く上げました。また、一般消費財・サービスと金融、不動産も2%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中29銘柄が上げました。そのなかでもスリーエム(MMM)とキャタピラー(CAT)が8%を超える上昇となったほか、ダウ(DOW)も5%以上上げました。ナイキ(NKE)も4%を上回る上昇となり、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げています。一方でアマゾン・ドット・コム(AMZN)が米国で有料会員向けに低価格もしくは無料の携帯電話サービスの提供を検討していると伝わったことからベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が3%余り下げています。ダウ平均構成銘柄以外でも携帯電話大手のAT&T(T)やTモバイルUS(TMUS)が安く、AT&Tが3%を超える下落となり、TモバイルUSも5%以上下げています。カナダのスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)は決算が市場予想を上回る増収増益となったことからが11%以上上昇しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大幅に上回ったことで金融引き締めが長期化するとの見方が強まったことから0.11%高い3.70%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ140円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)