【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ： 33,093.34 △328.69 （5/26）
NASDAQ： 12,975.69 △277.59 （5/26）
1.概況
先週末の米国市場は米政府の債務上限問題を巡る交渉が合意に近づいており2年程度の引き上げを軸に妥結する可能性があると伝わったことから上昇となりました。30ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に397ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが、大きく押すことなく引けまで堅調に推移すると結局328ドル高の33,093ドルで取引を終え6日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も277ポイント高の12,975ポイントと続伸となりました。
2.経済指標等
5月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は59.2と速報値から上方修正され市場予想も上回りました。4月の米耐久財受注額も前月比1.1％増となり市場予想を上回っています。また、個人消費支出（PCE）も前月比0.8％増となり市場予想を上回りました。さらに4月の米個人消費支出（PCE）物価指数も前年同月比4.4％上昇し市場予想を上回ったうえ、変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も前年同月比4.7％上昇し市場予想を上回っています。4月の米個人所得は前月比0.4％増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、情報技術と一般消費財・サービスが2％を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスと不動産も1％以上上げています。一方でエネルギーとヘルスケア、公益事業の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
前日に続き半導体株が買われました。決算で売上高などが市場予想を上回ったマーベル・テクノロジー（MRVL）が急伸し32％を超える上昇となったほか、ブロードコム（AVGO）も11％以上上げました。マイクロン・テクノロジー（MU）とクアルコム（QCOM）も6％を上回る上昇となり、インテル（INTC）とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）も5％以上上げました。半導体製造装置関連株も高く、KLA（KLAC）が6％を超える上昇となり、アプライドマテリアルズ（AMAT）とラムリサーチ（LRCX）も4％以上上げています。主力ハイテク株も堅調でネットフリックス（NFLX）が5％を超える上昇となり、フォード・モーター（F）との提携を発表したテスラ（TSLA）も4％以上上げました。さらにアマゾン・ドット・コム（AMZN）も4％を超える上昇となったうえ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ（META）も3％以上上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02％低い3.80％となりました。ドル円は140円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国市場が米債務上限問題の進展を期待した買いで上昇したことに加え、その後バイデン米大統領と米連邦議会のマッカーシー下院議長が米政府債務の法定上限を引き上げることで基本合意したと伝わったことから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の31,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
（マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
