【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,055.51 ▼231.07 (5/23)
NASDAQ: 12,560.25 ▼160.53 (5/23)
1.概況
米国市場は米連邦政府の債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の協議に進展がみられないことを嫌気した売りが出て下落となりました。95ドル安でスタートしたダウ平均は直後に170ドル安余りまで下落した後持ち直すと前日終値を挟んでしばらく小幅にもみ合いました。しかし、午後に入って再び売りが優勢となり取引終盤に下げ幅を広げると結局231ドル安の33,055ドルで取引を終え3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は160ポイント安の12,560ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
5月の米製造業PMI速報値は48.5と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で4月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比4.1%増の68万3000戸となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、素材と情報技術、コミュニケーション・サービス、不動産、金融、資本財・サービス、ヘルスケアが1%以上下落しています。一方でエネルギーが1%高となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではビザ(V)が3%近く下落したほか、インテル(INTC)とウォルト・ディズニー(DIS)も2%以上下げました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)とマイクロソフト(MSFT)も2%近く下落しています。一方で原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が3%近く上げ、ホーム・デポ(HD)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も1%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のブロードコム(AVGO)がアップル(AAPL)と数十億ドルの部品供給契約を結んだことで1%余り上げています。口コミ情報サイトのイェルプ(YELP)もアクティビスト(物言う株主)が株を買い増したと伝わったことで5%を超える上昇となっています。ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は四半期売上高の伸びが鈍化したことを嫌気した売りが出て8%余り下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い3.69%となりました。ドル円は138円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)