【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,286.58  ▼140.05 (5/22)
NASDAQ: 12,720.78  △62.88 (5/22)

1.概況

米国市場は米連邦政府債務問題を巡るバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長の会談を控え様子見となるなか高安まちまちとなりました。ダウ平均は米連邦準備理事会(FRB)高官が相次いで金融引き締めの継続に前向きな発言をしたことが重石となり続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで反発となりました。18ドル安でスタートしたダウ平均は直後にプラスに転じると85ドル高まで上昇しました。

しかし、伸び悩むと再びマイナスとなり218ドル安まで下落しました。その後ダウ平均は下げ渋りましたが、取引終了まで軟調に推移すると結局140ドル安の33,286ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が0.6ポイント高の4,192ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も62ポイント高の12,720ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや不動産、金融、情報技術などの7業種が上げ、コミュニケーション・サービスは1%以上上昇しました。一方で生活必需品や素材などの4業種が下げ、生活必需品は1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)が4%近く下落したほか、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)とコカ・コーラ(KO)、マクドナルド(MCD)も2%以上下げました。また、シェブロン(CVX)とトラベラーズ(TRV)も1%を超える下落となっています。一方でスリーエム(MMM)が2%を上回る上昇となり、アメリカン・エキスプレス(AXP)とインテル(INTC)も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の一角が高くテスラ(TSLA)が5%近く上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%近く上昇しています。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も1%余り上げています。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー(MU)は中国当局による調達禁止措置を受け3%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利はFRB高官から金融引き締め継続に前向きな発言が相次いだことで0.04%高い3.71%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ138円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が反発となったことや、円安を受けて堅調なスタートが予想されます。短期的な過熱感が強いなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)