FX投資における大切なポイント

――FX投資で重視していることを教えてください。

毎日エントリーするようにしています。1日に数百円、数千円でもいいから、利益をコツコツ積み重ねていければと思っています。

市場関係者が重要視する経済指標が発表されたあとは、相場が一方向に動くことが多いです。例を挙げると、アメリカで雇用統計が発表されたときなどですが、そのような時にはがっつりトレードしています。

また、為替相場が動く要因になりそうなニュースを集めることも大切だと考えています。各国の金融政策や政治・経済イベント、FRBのボードメンバーなど要人の発言にも注目しています。要人の発言ひとつで相場が動くこともあるからです。

海外のニュースは、Twitterで現地のジャーナリストなどをフォローして、原文のツイートをチェックしています。日本語に翻訳されたニュースもありますが、翻訳されるまでにタイムラグがある。ニュースが出た時に瞬時に反応できるよう、英語の勉強を兼ねて原文のツイートをチェックしています。

そして、リスク管理も重要だと思っています。例えば、レバレッジが20倍以内の取引の場合は、その時の値動きを見ながら損切りラインを決めていますが、20倍以上の超ハイレバレッジの取引をする場合には、20pips動いたら利益確定や損切りをするなど、明確な基準を決めてトレードしています。

――1日の取引ルーティーンを教えてください。

朝は、東京市場のオープン前に起きる努力をしています(笑)。起きたら、為替の値動きをチェックし、Twitterでニュースを集めます。Twitterは、他のトレーダーが何に注目しているのかを知り、市場の温度感を計るのに役立つからです。FX専業トレーダーの山手さんやFXの売買速報の小林芳彦さん、岐阜暴威さんのツイートはよくチェックしますね。

取引をするのは、東京市場(株式市場)の前場から、ロンドン市場(株式市場)の前半くらいまで。アメリカで注目度の高い経済指標の発表がある時には、指標の発表まで取引することもあります。

感情をコントールする秘訣

――FXでの成功談を教えてください。

2021年のポンド/ドル取引で、アメリカの利上げ観測からドル高が進んだ時でしょうか。実はトレード中に寝落ちしてしまったのですが、トレール注文での指値に刺さって、気づいたらしっかり利益を確保できていました。

――失敗談はいかがでしょうか?

私はトレードスタイルがトレンドフォローなので、戻り売りや押し目買いをしないといけないと分かっています。でも、値動きを見ていると勢いにつられて、ついつい高値づかみ、安値売りをしてしまう…。それを反省する毎日です。

――逢坂さんがトレードをするときに実践していることを教えてください。

私の場合、損切りしてアツくなったあとは、トレードを続けても傷を広げるだけのことが多いです。このようなときには、「損切りしたのは正しいことだった」と自己暗示を掛けて、休憩するようにしています。窓を開けて空気の入れ替えをし、コンビニに行ってスイーツを買ってきて食べたり…。ゲームをしたりすることもあります。

ずっと相場を見ているとバイアスがかかるといいますか、自分が正しくて相場が間違っていると考えてしまいがちです。「利上げするなら、ドル高になるよね」とか、「テクニカル分析的には、このタイミングで上がるはずだよね」とか…。でも、そうなるとは限らない。自分の予想とは反対に動くと悔しくなって、「私の考えが正しいはずなのに!」とアツくなってしまう。そんな思いを払拭するためにも、FX投資以外のことを考え気分転換し、感情をコントロールしてリセットすることが重要だと自分に言い聞かせています。

過去の情報や経験から学んで、有益な情報提供をしたい

――FXトレーダーとして今後の活動予定を教えてください。

私は、経済の情報を集めたり、歴史を調べることが好きです。例えば、過去に起きた「○○ショック」や「バブル崩壊」について調べて、そこから学べることがないかを考えたい。私自身は、2013年に高校を卒業して、フリーターを経て会社員になりました。社会人になってから一度も不景気を体験していないのです。リーマンショックが起きた時は中学生でしたし…。

2023年の3月にアメリカのシリコンバレー銀行が破綻し、その後もシルバーゲート銀行が破綻するなど金融不安が起き、景気後退も心配されています。このような状況下で、過去の情報や経験の分析をもとに、有益な情報提供ができたらいいなあと思っています。

――最後に、これから投資を始める若い世代へのアドバイスをお願いします。

「投資に縁遠い靴磨きの少年までもがはやし立てるようになったら天井は近い」という、1929年の世界恐慌直前に生まれた話がありますが、2022年の秋にも「靴磨きの少年」について話題になりました。あるインフルエンサーが「1ドル=180円もありえる」という発言をしたものの、その後、ドル/円相場で一気に円高ドル安が進んだのです。投資とは縁遠い人たちが「もっと上がる」とあおりはじめたら、疑ってかかるようにしています。というのも、そういうときは相場が下り坂になりやすいと思うからです。

また、投資にはリスクがつきものです。リスクが高くなればなるほど、リターンも大きくなる可能性があるものの、損が大きくなる可能性も高まります。それをしっかり理解してほしいと思います。リスクを取ることが怖いと感じるなら、高いリスクをとる必要はないでしょう。でも、興味があるなら、自分のリスク許容度を知ったうえで、やるべきだと考えています。

――本日は、どうもありがとうございました。

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写真:竹井 俊晴
※本インタビューは2023年4月27日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。