【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,309.51 ▼221.82 (5/11)
NASDAQ: 12,328.51 △22.07 (5/11)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は地銀の経営不安や決算を発表したウォルト・ディズニー(DIS)の大幅下落が重石となり下落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで上昇となりました。147ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に403ドル安まで下落した後下げ渋りましたが、一日を通して軟調に推移すると結局221ドル安の33,309ドルで取引を終え4日続落となっています。また、S&P500株価指数も7ポイント安の4,130ポイントと反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も22ポイント高の12,328ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件増の26万4000件と市場予想以上に悪化しました。また、4月の米生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.3%上昇となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーと公益事業、不動産が1%以上下落しました。また、素材も1%近く下げています。一方でコミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、生活必需品の3業種が上げ、コミュニケーション・サービスは1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでも動画配信サービスの契約者数が減少したことを嫌気した売りが出てウォルト・ディズニーが8%を超える下落となったほか、インテル(INTC)も3%を上回る下げとなりました。ダウ(DOW)も2%余り下落し、キャタピラー(CAT)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、ナイキ(NKE)も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では地銀のパックウエスト・バンコープ(PACW)が前週に預金が1割弱減ったと明らかにしたことで22%を超える下落となりました。一方で主要ハイテク株が堅調で、生成人工知能(AI)のサービス拡充を発表したことを好感した買いが続きグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が4%を超える上昇となり、ネットフリックス(NFLX)とテスラ(TSLA)も2%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い3.38%となりました。ドル円は134円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円や米株価指数先物などの動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)