【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,531.33  ▼30.48 (5/10)
NASDAQ: 12,306.44  △126.89 (5/10)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は米債務上限問題への警戒感が重石となり小幅に3日続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は長期金利の低下を受けてハイテク株の一角が買われたことで反発となりました。145ドル高でスタートしたダウ平均は直後に210ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎには322ドル安まで下落しました。しかし、その後引けにかけて大きく下げ幅を縮めると結局30ドル安の33,531ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数は18ポイント高の4,137ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も126ポイント高の12,306ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇し市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前月比0.4%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、コミュニケーション・サービスと情報技術が1%を超える上昇となったほか、不動産と公益事業も1%近く上げています。一方でエネルギーや金融などの4業種が下げ、エネルギーは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース(CRM)とマイクロソフト(MSFT)が2%近く上げたほか、アップル(AAPL)も1%以上上昇しました。一方でアメリカン・エキスプレス(AXP)が3%余り下げ、シェブロン(CVX)とナイキ(NKE)、ウォルト・ディズニー(DIS)も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の一角が高く、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が生成人工知能(AI)のサービス拡充を発表したことで4%余り上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%を超える上昇となっています。民泊仲介のエアビーアンドビー(ABNB)は決算で4-6月期の売上高見通しが市場予想に届かなかったことで急落し11%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米CPIが市場の想定通りの結果となったことでインフレへの警戒感が後退し0.08%低い3.44%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ134円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円高を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)