【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,674.38  △546.64 (5/5)
NASDAQ: 12,235.41  △269.02 (5/5)

1.概況

先週末の米国市場は市場予想を上回る決算を発表したアップル(AAPL)が大幅高となったことや、前日にかけて急落した地銀株の一角が大きく上昇したこと、さらに堅調な米雇用統計を受けて一気に買い戻しが入り5日ぶりに大幅反発となりました。120ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に480ドル高程度まで上昇した後一旦伸び悩みました。しかし、大きく押すことなく堅調に推移すると取引終盤に一段高となり一時は620ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局546ドル高の33,674ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も269ポイント高の12,235ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は25万3000人増となり市場予想を上回りました。また、失業率は3.4%と前月の3.5%から低下し悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。さらに3月の消費者信用残高は前月比265億1000万ドル増となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術とエネルギー、金融が2%を超える上昇となり、一般消費財・サービスも2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はインテル(INTC)を除く29銘柄が上げました。そのなかでも決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったアップルが4%以上上げ上昇率トップとなったほか、ウォルト・ディズニー(DIS)も3%余り上昇しました。ビザ(V)とセールスフォース(CRM)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、シェブロン(CVX)、ナイキ(NKE)、キャタピラー(CAT)、アムジェン(AMGN)も2%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、金融当局が銀行株の市場操作の可能性を注視していると伝わったことや、投資判断の引き上げを受けて前日にかけて急落していた地銀株の一角が急速に買い戻され、パックウエスト・バンコープ(PACW)が82%近く上げ、ウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)も49%%以上上昇しました。また、ザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)も19%余り上げています。さらに半導体株の上昇が目立ちエヌビディア(NVDA)が4%余り上昇し、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も3%以上上げました。テキサス・インスツルメンツ(TXN)も3%近く上昇し、クアルコム(QCOM)も2%余り上昇しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は3.44%となり、1日との比較では0.13%の低下となっています。こうしたなかドル円は連休前に比べ円高となり134円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

日本市場が連休中に米国市場でダウ平均は4日間トータルで377ドル下落しました。2日に一部の地銀株が急落したことで367ドル安となったダウ平均は、3日もパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受けて270ドル安となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文を受けて今回の0.25%の利上げが最後との期待が広がりFOMCの結果発表直後には一旦買いが優勢となりましたが、パウエルFRB議長の会見を受けて利上げ停止期待が後退したことから引けにかけて下げ幅を広げました。また、4日も再び地銀株の一角が急落したことで286ドル安となり、ダウ平均は3日間で923ドル下落しました。しかし、先週末には大幅反発となり546ドル高となりました。その結果ダウ平均は4日間で377ドルの下落となっています。そのため本日の日本市場は軟調なスタートが予想されますが、こうしたなかで日経平均が節目の29,000円を前に下げ渋り切り返すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)