アメリカの2020年の大統領選に於いて、一部の州で投開票システムを提供していたドミニオン・ヴォーティング・システムズ(以下、ドミニオン)について、米テレビ大手FOXニュース(以下、FOX)が選挙の不正にドミニオンが加担したと報じたことにつき、ドミニオンがFOXを名誉毀損で訴えていた訴訟で、約1000億円の和解金をFOXがドミニオンに支払うことになったのは、既に2週間ほど前のことですが、この度その詳細がドミニオンから公開されてきました。

この事件は、他のメディアや個人に対してもドミニオンは訴訟をしたりその準備をしており、今後和解の流れは広がるかも知れません。そしてその金額は、かなり多額な可能性があります。今回のことは、報道と名誉毀損と云う、或る意味古典的な法律のテーマですが、今後の報道の在り方に一石を投じることになるでしょうか。

日本のメディアも、決め付けたように報道することもあり、そこで一旦出来た印象は、あとで訂正が入っても中々拭えないことがあります。このような多額の和解金は、そのような決め付け報道の牽制になるでしょうか。しかし一方、牽制が効き過ぎると、公益のためと信じて報道することに抑制が掛かってしまうリスクもあります。

難しいテーマですが、報道機関は、その報道がどのような帰結をもたらし得るかについて、ちゃんとした想像力を持つことが、やはりとても肝要なのだと、私は思います。