日本の連休中、海外では重要指標の結果発表が目白押し
5月3日から東京株式市場は3日間休場となります。その間には、米連邦公開市場委員会(FOMC)や中国財新4月製造業PMI、欧州中央銀行(ECB)定例理事会(ラガルド総裁記者会見)、アップルの決算発表、米4月雇用統計など、海外で主要な指標結果やイベントが目白押しです。
少し控えめに考えると、すべての結果や織り込み方が日本株の追い風になるとは思いませんが、すべてを楽観的に考えると連休明けはまさかの展開にも期待できそうです。
TOPIXの月足ベースから考える、日経平均の今後の動き
前回のコラムでは、日経平均の週足ベースである52週移動平均線が上向きとなったことを、「信頼性の高い強気サイン」として解説しましたが、今回はTOPIX(東証株価指数)の月足ベースで発生した「信頼性の高い強気サイン」について解説したいと思います。
TOPIXは4月、月足のボリンジャーバンドに強気サインが点灯しました。ボリンジャーバンドは、米国のジョン・ボリンジャー氏が発案した有名なテクニカル指標です。相場の自律反発を狙う水準を判断する時や、時には上昇や下落トレンドの波に乗るタイミングを教えてくれることがあります。
月足では、24ヶ月移動平均線を使う場合、24ヶ月間の標準偏差(1σ)とその標準偏差の2倍(2σ)を、24ヶ月移動平均線から上下に各々2本加えると、上から「+2σ→+1σ→24カ月線→-1σ→-2σ」の順番でチャートに描かれます。
使い方は2通りあります。株価が-2σまで下降して近づくと反発に転じる習性を狙う、逆に+2σまで上昇して近づくと反落に転じる習性を狙う、逆張り手法が1つです。
もう1つは順張り手法です。新規の材料が出た時やトレンドが発生する際、株価が+2σや-2σを押し広げるように動きます。逆張りとは違って、+2σや-2σを終値でブレイクした方向に順張りでポジションを取ります。
+2σをブレイクしたのであれば強気の買いポジション、-2σをブレイクしたのであれば弱気の売りポジションを持ちます。バンドの上限や下限を脱する動きを異例の勢いと判断するためです。
TOPIXは4月に+2σを終値で上抜ける、順張りサインが発生しました。2012年以降、横ばい相場から順張りサインが発生したのは、今回で5回目となります。
過去の4回(2013年1月、2015年2月、2017年10月、2020年11月)では、順張りサインが発生した月の終値から次の高値をつけるまでの平均上昇率は17%でした。最も上昇率が大きかったのは、1回目の2013年1月からの38%です。
おそらく、順張りサインが発生した月の+2σと-2σの幅が極端に狭かったため(ボラティリティが極端に低かったため)、上昇率が大きくなった(ボラティリティが大きくなった)ことが推測できます。今回の5回目は1回目よりも幅が狭い状態でサインが発生しています。