日経平均は年初来の高値圏を強含む展開

日経平均の4月7日からの連騰記録は「4月18日」で途切れましたが、年初来の高値圏で強含む展開が続いています。

2022年8月17日高値(29,222円)を起点とした上値抵抗線付近で上値を抑えられていますが、「トレンドイズフレンド」という有名な格言があるように、だからといってトレンドには逆らえず、従う姿勢が重要なのです。

「もうはまだなり」という格言も似たような意味合いだと思いますが、2023年の年初からの相場を振り返ると、利益を伸ばすには「我慢」が必要なのがよくわかります。

下向きら上向きに変わった52週移動平均線が示唆することとは

さて、日経平均の「信頼性の高い強気サイン」として、今回は52週移動平均線を取り上げます。図表は、2015年からの週次の日経平均のラインチャートです。週次のラインチャートは毎週末の終値を繋いだ線になるため、高値や安値の転換点が日足のラインチャートとは異なる点には注意してください。

【図表】日経平均(週次ラインチャート 2015年1月5日~2023年4月21日)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

直近の上昇で大きく変わった点は、52週移動平均線が下向きの傾向から上向きに変わったことです(赤の矢印部分)。株価は上向きの52週移動平均線に乗っかるように上値を試している状況で、2022年8月につけた週次ベースの高値28,931円(日足ベースの高値は29,222円)が視野に入ってきました。

過去、この52週移動平均線が下向きから上向きに変わると相場も強くなっていきました。2015年以降、52週移動平均線が下向きに転じてから再び上向きに変わるまでの期間をみると、2019年夏場頃までの調整局面では52週間を要しています。

その後、新型コロナショックで一旦下向きになりましたが、すぐに上向きに変っていきました。2015~2016年にかけての調整局面では48週間を要しています。今回は下向きに転じたのが2022年1月11日の週で、再び上向きに転じたのは今年の1月23日の週からです。これまでよりも少し長い55週間でしたが、株価は日柄面では上がりやすい環境になりつつあると言えそうです。

これまでは52週移動平均線が上向きになると株価が跳ねていることが確認できます。特に、2019年のケースは顕著で、当時の直近高値の24,000円前後へのトライがありました。今回も2022年8月高値を上抜けると、3万円に向けて一旦大きく放れていく動きがイメージできます。