東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に反発となりました。67円高の28,631円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分後に10円高の28,574円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を三桁に広げ10時20分前には116円高の28,680円まで上昇し18日に付けた年初来高値(28,658円)を一時上回りました。

しかし、その後伸び悩むと14時50分前に2円高の28,567円まで上げ幅を縮め結局29円高の28,593円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ANAホールディングス(9202)が一時3.9%高となり年初来高値を更新しました。第4四半期において日本の新型コロナウイルスの水際対策の緩和によりビジネス需要や訪日需要の回復が進み国際線旅客収入が堅調に推移したことなどで2023年3月期の営業利益の見通しを950億円から1200億円に上方修正したことから大幅高となりました。

伊藤ハム米久ホールディングス(2296)も一時2.1%高となりました。行動制限の緩和等による外食向け食肉販売の回復に加え、加工食品の販売数量が想定を上回って推移したことなどで2023年3月期の営業利益の見通しを220億円から230億円に引き上げたことから買いが優勢となりました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが中外製薬(4519)やUSEN-NEXT HOLDINGS(9418)で、中外製薬が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.5%高となったほか、USEN-NEXT HOLDINGSも目標株価の引き上げを受けて一時6.0%高となり年初来高値を更新しました。

一方で本決算を発表した東京製鉄(5423)が5.6%安となりました。主原料の鉄スクラップ価格の高止まりや電気料金の引き上げなどでコスト負担が増え採算が悪化することなどから2024年3月期の営業利益が前期比で21.2%減となる見通しを示したことで大幅安となりました。西松屋チェーン(7545)も一時2.7%安となりました。気温が低い日が多く夏物衣料の売り上げが低調だったことなどで4月の既存店売上高が前年同月比1.7%減となり3ヶ月ぶりに前年の水準を下回ったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は29円高となりました。米プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の市場予想を上回る決算などを支えに先週末の米国市場が小幅に反発したことで買いが優勢となりました。一時は上げ幅を三桁に広げ年初来高値を上回る場面もありました。しかし、20日や21日と同様に年初来高値を超えたところでは伸び悩みました。そのため年初来高値を上回ったところでの上値の重さが意識されそうで、今週から本格化する決算発表を支えに年初来高値を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後にはニデック(6594)やコーエーテクモホールディングス(3635)などが決算を発表する予定です。また、24日の米国ではコカ・コーラ(KO)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)